企廓書庫

□人の家を訪ねる時は事前連絡を怠るな
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とある日の事であった。

佐和山城主、石田三成は、その性清廉にして勤勉。常日頃真面目に執務を執り行っている為か、たまにぽっかりと穴が空いたように暇になる時があった。

そのような時には、次の政務を行ったり、策を立ててみたり、書を読み解いたりと暇を潰すようにしていたが、とうとう本当に何もする事がない暇になってしまった。事はそんな時に起きた。


三成は本当にする事が無い所為で、カメ○メ波を出す練習をしている。
平素の主の突飛な行動や突飛な友人で胆力が無駄についた筆頭家老島左近は、あ痛たな主を余所に掃除に勤しんでいたが、その手が止まった。

左「…?何か聞こえませんか、殿」

三「それは、あれだろ。シュワンシュワンっていう「サ○ヤ人でなくて。ほら…足音?」

左近の言葉など知らぬとでも言うようにカ〜○〜ハ〜メ〜…波ーっ!!と手を前に突き出した、瞬間。

「こんにちはー!」

三「!!!?」

左「!あんたぁ…」


少し記憶を掘り返すと直ぐに出てきた、夏の夕時の髪色。

左「確か…猿飛さん!?」

にこり、と笑う。
彼は『婆娑羅』というもう一つの戦世の住人であった。
本来ならお互いに行く事も見る事も出来ないのだが、なんやかんやがあって左近ら佐和山主従はあちらの世を見聞していた。


佐「いやぁ、その節はどーも」

言って佐助は菓子折りを差し出した。左近が受け取ったが、出した方も受け取る方もやけに手慣れている。

左「わざわざこんな…本当すみませんねぇ」

佐「そんなこ『うわぁあぁああぁああ!!!!』

左「殿っ!?どうしました殿っ!!?」

三「死ぬっ!!死ぬぅうう!!」

佐「大変!!ちょっと痙攣してるよ!?モミアゲの旦那っ!」

左「モミ…!?何ですソレ!?俺の事!!?」

佐「今はそんなんどーでもいいでしょがっ!誰かー!!お医者!お医者っ!!」

『俺に任せておけぃっ!!!』

左「!」

佐「右目の旦那!?」

そこに現れたのは婆娑羅の世で、独眼竜が右目と謳われている片倉小十郎であった。




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