駄文
□桜、散ル華。
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大阪城の庭園は、今、春に溢れている。
梅に、水仙、数々の花々が咲き誇り、色を競う。
そんな中−
庭園に数ある桜の、一番大きく、咲き乱れている大木の枝に、
ぷらん、と
花々に負けぬ程の美貌を持つ秀吉の寵臣、
石田 三成
が縄で括られ、ぶら下がっている。
理由を辿れば今朝の事。
「また、こんな残して!お百姓さんに悪いでしょう!?」
朝餉の席で、まだ飯が残るのに、箸を置いた。それを目ざとくねねが見つけたのだ。
ねねの、もしかしたら無双奥義よりも強力なお説教が始まった。
「いい?お米ってのはお百姓さんの−…。」「ですが、おねね様」
「なぁに?言い訳する子はお仕置きよ!」
−で現在に至る−あの場で口応えをした自分の浅はかさを悔やむが、三成には言い分があった。
ねねには飯の量を減らしてくれと言っていた。だがねねは、三成は細過ぎる、もっと食べないといけないと、毎回飯を山の如くよそうのだ。
はぁ、と溜め息を一つ。−執務が滞る−と考えていると、自分を見上げる視線に気付いた
一人は赤揃えの鎧を着けた、少年さが残る顔立ちの男と、
風の抵抗を失くしたような、新幹線の先頭と見紛う兜を着けた、誠実そうな−実はとんでもない性癖を持っていると、三成は知っている−顔つきの男が見上げている。
「何だ三成、SMプレイか?」
と兼続。
「えすえむ…?どうなさったんです?」
「…幸村と変態か。」「左近殿が見当たらんが…SMプレイと放置プレイのコラボとは、流石大和にその人ありと謳われた方だ。」
どんな褒め言葉だと思いつつ、軽く流す事にした。
「幸村、どうしてここに?」
「花見をしよう、と文に書いて下さっていたので来みたのですが…、三成殿は今ぷれいとやらにお忙しいのでしょうか?」
因みに幸村の性の知識は小学生並だ。
もしかしたら、赤子は鳥が運んでくるとまだ信じているかもしれない。
「あぁ、そんな事書いたかも知れないな。」
ならばと、近くを通る侍女に声を掛け、茣蓙(ござ)と茶と団子やらの菓子を持って来させた
「兼続に茶はださんで良いぞ。」