アチェーロ
□act.4
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「で?」
「ひっ」
「おお、えらい別嬪さんやなあ」
ギロリと俺を睨みつけるハルに顔が青くなる
ケタケタと笑う彼にその視線は向けられ余計に気まずい
「なに、この人」
「あっと、城に入れてくれるって言ってくれて…」
「は?」
「まーまー、さっき助けてもろうたから恩返しや」
ニヤリと笑う彼にハルモニアが表情をゆがめる
「…俺はミツル・コローリっていうんだ」
「ん、俺はセリン・コローリっちゅー名前やお嬢は?」
「……、ハル・コローリ」
一瞬目を見開いたハルが見えたのは気のせいなのかもしれない
俺は気にせず作戦会議やーと言うセリンの横に並んだ
「え?セリンって盗賊なの?」
「まあ、ここらへんの賊やな」
「じゃあさっき、助けなくても…?」
「ん?さっきはホンマ助かったでー。危うく新調したばっかりの短剣が刃こぼれしてまうとこやったわ」
「「…」」
ああ、ハルモニアの視線が痛い。