ひととせ
□ただいま
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「どこ?カエデー。バイク」
「ほいほい」
「四丁目の倉庫で…!」
「神無月の領地じゃねえか…!」
「好き勝手してくれますね…、行きますよシグレ、ツカサ」
「はあい!喧嘩だけんかあ!」
「喧嘩はしません」
「ぶー、つまんないよお!」
「神無月!おれらは…!」
焦るように声を出すクラスメイトにツカサがゆっくり振り返る
「お前らはミツルが連れてくるけが人を看護しろ」
「あっああ!わかった!」
「怪我の具合によっては救急車ですけどね…」
「そんなことなったら一大事だけどねえ」
扉を出ながらつぶやくシグレにツカサは一瞬目をやっただけで
外に出た
「んー?」
学校の外に出た瞬間、バイクの音に目を細める
見知った5人が門を潜り抜け急かしくでいていった
「……」
携帯を取り出し慣れた手つきで電話番号を操作する
「あ、ジュンさん?うん、久しぶりー?え?あーそれはまた今度」
怒鳴るような声にケイタイを遠ざけ苦笑いをこぼす
「あともー少ししたら5人がそっち向かうよ。え?なに?あーごめん切る」
「おい!」と大きな声が響きそのまま通話を切る
ケイタイをしまって5人を乗せたバイクを追いかけた