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□意地
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ぽかぽかと温かい太陽の光が、窓から差し込んでくる。
思わずうとうととしていると、後ろから抱きしめられた。
「…チャンソン…」
これだけのことで分かってしまう俺は、相当チャンソンに惚れてると思う。
調子に乗るから言わないけど。
「ジュノ〜…どっか行こ〜?」
ぎゅうっと俺を抱きしめながら言うチャンソンは、紛れもなく子供そのものだ。
少々、力が強過ぎるのも体が大きすぎるのも困りものだが…。
「外、寒いじゃん。」
いくら日差しが温かいとは言え、1月の韓国は冷える。
いくらチャンソンの頼みでもダメだ。
外には出たくない。
「外!」
俺を抱きしめる力をさらに強くし言ってきたチャンソンの腕を叩く。
「嫌だ!」
チャンソンの腕から逃れようともがけば、チャンソンも俺を逃がすまいと力をさらに入れる。
「いい加減にしろよ!」
「ジュノこそ!!」
無理やりチャンソンの腕から抜け出た俺は、思いっきりチャンソンを睨み付けた。
「チャンソンなんか嫌いだっ!!」
「俺だって、ジュノなんか!」
そう言われて、ズキッと胸が痛んだ。
怒って部屋を出て行くチャンソンを追い掛けられない俺は、なんて情けない男なんだろうか?
バタンと音を立ててドアが閉まった途端に、俺の両目から涙が溢れ出た。
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