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□Like a drama
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「ねぇ〜、今日のインタビューって日本のだったんだよね〜?」
「あぁ…」
眠りかけている兄さんの上に乗っかって聞かれた内容を思い出す。
「…チャンソン……重い…」
「ドラマのこと、聞かれなかったね〜…」
わざと無視して天井に手を向けてひらひらと振ってみた。
「兄さん〜?疲れてんの?」
「ん〜…とりあえず、どいてくれ…」
「ヤダ。」
俺は兄さんの上でうつ伏せに寝返って、ニッコリと笑った。
「即答かよ…。お前、楽しんでるだろ…」
「うん。」
兄さんは眠たそうな目を俺に向けた。
「まったく…」
兄さんの手が俺の手首を掴んだと思ったら、次の瞬間には兄さんの肩の向こうに天井が見えた。
え、俺…組み敷かれてる?
「兄さん!?」
そのまま俺の上に倒れた兄さん。
重たい。
「兄さん、重い…」
「うるさい…」
すぐに寝息が聞こえてきて、グッと兄さんの体が重たくなった。
「重い…」
すぐ横には兄さんの寝顔。
やたら密着している体。
「……心臓に悪い…」
ハァ…、と溜め息をついて目を閉じた。
早鐘のようになった心臓の音に苦笑いしてから、兄さんの背中に腕を回した。
「おやすみ、兄さん…」
暖かい兄さんの体に、眠れない夜もたまにはいいかもしれない。
→後書き