01:59

□Like a drama
1ページ/2ページ

●●

「ねぇ〜、今日のインタビューって日本のだったんだよね〜?」

「あぁ…」

眠りかけている兄さんの上に乗っかって聞かれた内容を思い出す。

「…チャンソン……重い…」

「ドラマのこと、聞かれなかったね〜…」

わざと無視して天井に手を向けてひらひらと振ってみた。

「兄さん〜?疲れてんの?」

「ん〜…とりあえず、どいてくれ…」

「ヤダ。」

俺は兄さんの上でうつ伏せに寝返って、ニッコリと笑った。

「即答かよ…。お前、楽しんでるだろ…」

「うん。」

兄さんは眠たそうな目を俺に向けた。

「まったく…」

兄さんの手が俺の手首を掴んだと思ったら、次の瞬間には兄さんの肩の向こうに天井が見えた。

え、俺…組み敷かれてる?

「兄さん!?」

そのまま俺の上に倒れた兄さん。

重たい。

「兄さん、重い…」

「うるさい…」

すぐに寝息が聞こえてきて、グッと兄さんの体が重たくなった。

「重い…」

すぐ横には兄さんの寝顔。

やたら密着している体。

「……心臓に悪い…」

ハァ…、と溜め息をついて目を閉じた。

早鐘のようになった心臓の音に苦笑いしてから、兄さんの背中に腕を回した。

「おやすみ、兄さん…」

暖かい兄さんの体に、眠れない夜もたまにはいいかもしれない。



→後書き
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ