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□冬のプレゼント
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「ただいま〜…って!!何でドア開かないんだよ!?」
昼頃、宿舎に帰ってきて、俺は焦った。
「ちょっ…どうしよッ!!」
俺はとりあえずケータイを取り出し、ジュンス兄さんに掛けてみた。
「何で出ないの!?ちょっ…クン……は絶対出ないよな…仕事とか言ってたし…」
せっかく午後から休みをもらっているというのに…。
「ジュノなら…」
掛けてみたけど、繋がらなかった。
ジュンス兄さんと作曲中……かもしれない…。
チャンソンにもウヨンにも掛けてみたけど、結果は同じで繋がらなかった。
「おいおい…マジかよ…」
「あれ…テギョン…どうしたの?そんなとこで…」
クンの声が聞こえて振り向いて、俺はそのまま固まった。
「クン……?」
振り向いた先には、クンには見えない男が立っているだけだった。
「え、ちょ…何?何かの冗談だよな…?」
手には赤く染まった小型ナイフ、服には血飛沫のようなものがついている。
なのに、顔はいつもの王子スマイル…。
「何してんの?早く入ろうよ…」
「あ…あぁ……」
クンと思われる男は、玄関を開け、スタスタと中に入っていった。
「チャンソン!?」
玄関に入って、俺はまた目を見開いた。
うつ伏せに倒れた男がいた。
それは見慣れたチャンソンの姿によく似ていて、なのに背中には赤が滲んでいた。
「………兄…さん……」
「チャンソン!!どうした!?何があった!?」
チャンソンを抱え上げ、顔を覗き込んだ。
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