夢 短

□今日は何の日?
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「棗のあほー!!!」

「気ぃ抜いてるお前が悪いんだろ」

「この嫌みキツネ!」

「ブス」

「この性悪男!!」

「ドブス」

「棗のあほ!!」

「ドドドドドブス」

「…ちょっとはバリエーション増やそうや(汗)」



朝から棗と蜜柑ちゃんは仲良く喧嘩してて。


私は棗の彼女のはずなんだけど、
私としゃべるときとは全然違う。


なんというか…
年相応な、"素"の棗って感じ。

私には見せない、棗の"素"。


蜜柑ちゃんとの態度の差に、
ほんとに付き合ってるんだろうか、
ほんとに私のこと好きでいてくれてるのか、

…とか、悪いほうにばかり思いが傾く。



「…はぁ」


2人を見てると自然にため息がもれる。



「もう少しでお花見できるねー」

「ね!今年もやりたいなぁ」


クラスの子たちの話が聞こえてくる。


「いつ咲くと思う?」

「もう明日から4月だし…2週間もしたら咲く?」

「そっかぁ…楽しみだねっ!」

「今からメンバー集めよっか」


楽しそうな女子2人の会話。


棗とお花見したいなぁ…

なんて、今考えるとむなしくなってくる。




「…ん?」



無意識に声に出ちゃったけど、

これは棗の愛を確かめるためにちょうどいいときなんじゃない?



「よしっ」



善は急げって言うし。


まだ続いてる棗と蜜柑ちゃんの喧嘩をほっといて、
私は明日への準備をするために部屋に戻った。








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