小説
□噛みしめて
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ガサガサガサ
「も-どこ行ったん?」
右手に箒、左手に塵取り、腰にごみ袋、
…と、全身に掃除の装備をした蜜柑が、
何やら探して歩き回っている。
朝から休みなしで追いかけ、
今はもう夕方になろうとしている。
いい加減に蜜柑の体力や気力は限界にきていた。
が、それでも探す。
「あっ、おった!!」
そんな蜜柑の根気が伝わったのだろうか、
"それ"が姿を表した。
目をキラキラさせて、
小走りでそれを追いかける蜜柑。
それに夢中になりすぎて周りが見えなくなり、
足元に這っていた木の根につまずいて、転んだ。
「きゃっ」
"どーん" "バキッ" "ずりっ"
「…いたい(泣)」
転んだせいでそれは見失うし、
勢いでそのまま転がったら何やら広がったとこにでた。
そこには。