夢 短

□ココア
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「鳴海せんせー
現国わけわからんよ」

今日はナル兄の家で勉強会。
もうすぐテストがあるもの

「現国は本をいっぱい読まないとねー」
読解力を身に付けないことには

と、続ける


ナル兄は高校の教師で幼なじみ
お兄ちゃんみたいなもの

ナル兄が暇な時はこうやって勉強を教えてもらってるの


「私もナル兄の高校通いたかったー」

「ふふ、そう?
でも、結構な不良高校だから名無しさんだとすぐに苛められちゃうかも」

「…どういう意味かしら」

やだな、か弱いって意味じゃない

と笑うナル兄の肩を小突き、勉強に戻る


「ここわかんない」

「あ、ここはね」

と、いったように私たちはしばらく勉強をしていた



「あー!もう疲れた!」

そう言って私はシャーペンを勢いよく机に放り投げた

天井を仰ぐと、ナル兄が視界の端に映って
ナル兄は私の頭を撫でてくれた
ナル兄の手が気持ちよくて、私は目を細める


「お疲れさま、名無しさん
ココア淹れてきてあげようか、ちょっと待っててね」

「いる!
生クリーム!」

と追加するとナル兄はハイハイと言ってキッチンへ向かった


「ねえ、今度文化祭があるの
ナル兄来てくれる?」

「そんな季節かー
じゃあ行こうかな」

「喫茶店なの」

「じゃあ、今度は名無しさんにココア淹れてもらわないとね」

「私は接客だもん」

「名無しさんコケるよ?」
「コケないよ!」

「ふふ
はい、どうぞ」

突っ込む私にナル兄はココアを差し出した


なんでだろう…
ずっとずっと前からあるはずなのに

「ありがとう」

改めて感じるとすっごく嬉しくって
幸せで

誰かに自慢したくなるのは



オマケ

「え、名無しさん
メイドさんするの?」

「わかんないでもしたい」

「ダメ」

「なんで!」

「虫が涌く…」

「なんか言った?」

「ううん、とにかくメイドさんはダメ」






アトガキ

久しぶりの更新です
ざっと3ヶ月ぶりです
鳴海がもしも幼なじみの高校教師だったら〜
な設定で書きました
こんな美味しい設定の幼なじみ欲しいね

きゅーぶ
 

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