小説
□お返し
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「…何度言ったらわかるんだ?
これは、この公式使うって言ってんだろーが」
「…そうでした(汗)」
今は棗にテストに向けて勉強教えてもらってんねん。
いつもわからんねんけど、
今回の範囲は算数も理科もわからんねん。
これはさすがに…
って思って棗に教えてもらってんねんけど…。
「……棗さん?」
「ん?」
「その腰にまわってる手は何の役割を果たしてるん?」
「俺への褒美」
「この変態っ!!///」
さっきから変態の手がとまりません(泣)
最初は間違えたときに、軽く頭叩かれる程度やったはずやのに…
いつのまにか腰触られとるし!!
「ほら、集中してやんねーと終わんねー」
「その終わらん原因作ってるんは棗やろっ!//」
そうは言いつつ、
ホンマに終わらんからしぶしぶ鉛筆を持ち直す。
カリカリカリ
………うーん。
「どした?手、止まってる」
「………///」
ちょっとだけ頬ふくらませて棗を睨んだけど、
棗は意地悪く笑うだけで。
そのまま睨んだまま手を動かそうとせーへんウチに、
棗はしぶしぶ、って感じで手を離す。
「…しゃーねーな」
…長いこと感じてた温もりが急になくなって、
ちょっと寂しいって思ったことなんか絶対棗に言ったらへん!
「蜜柑」
そんなこと思ってたら、急にウチの名前呼ぶから。
「なに?」
「ちょっと復習。
746÷9は?」
「…え?」
「復習だって言ってんだろ。ちょっとやってみろ」
苦手な三ケタの筆算を、ぶつぶつ言いながら解いていく。
「えーっと…
9×8が72やから、8かいて…
74-72して、2。
その2と…」
やること数分。
「できたっ!答えは82あまり6やなっ」
やっと解けたー!
っていう快感にひたっとったのに、
「違う」
っていう棗の声に現実に引き戻される。
「…え、どこが?」
「最後だよ。
26から18引いて何で6になるんだ」
「…ほんまや」
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