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□Message
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「…じゃあ、もう1問、今までとは明らかに違ぇ表情の問題だしてやるよ。
それ答えられなかったらルーシィの負けな。」


そういうとグレイは
一瞬、目をふせて、
そしてこちらに顔を向けながら
確かに…今までとは違う表情をするグレイ。


すごく…柔らかい表情。
幸せそうな微笑み方。

まるで、なにか
すごく心温まることがあった、みたいな。
そんな感じ。


でも、雰囲気は伝わっても
思ってることが分かるわけでもなくー…。


「あら、私分かるわよ。」


必死に考えているあたしに
ニコニコしながら話しかけてきたのは
グレイがさっき注文したビールを
手に持つミラさん。


「本当ですか!?」

ミラさんから、答えを聞けば、
と願ってもないチャンスに
あたしは目を輝かせる。


「ええ。確実に。」


ビールをグレイのもとへ置いて
あたしに向かってちょいちょいと手招きする。


あたしはカウンターに身を乗り出してミラさんの方へ耳を向ける。

ミラさんはあたしの耳元に口を寄せて
あの表情はね、と話し出す。


「ルーシィのことが、愛しくて愛しくてたまらない。って表情なのよ。」


予想もつかなかった答えにびっくりする
と同時に
顔にだんだんと熱が集まるのが自分でも分かる。


いや、これは!あくまで、ミラさんの予想であって!
と、自分に、
冷静になれと言い聞かせるものの
気持ちとは裏腹に
体の熱は上昇するばかり。


ふと、こちらの様子を黙って見ていたグレイの視線に気付き
ちら、と目を向ける。


目が合うとグレイは、
やっとわかったか、と
口の端を少し上げ呟いた。


その一言が、
さらにあたしの熱を上昇させる。





――ああ、もう。

「…参りました……。」



負けたあたしを待っていたのは
なおもおさまらない体の熱と
どうしても緩む口元だった。



―――――――――

次はおまけ。



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