01/06の日記

12:04
SFについてぐだぐだ
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ディックの短編集「ゴールデン・マン」に収録されている「小さな黒い箱」は、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の原型だそうです。

あらすじをざっと言うと、

ある宗教が流行ってる世界。その宗教は外宇宙からの侵略かもしれない。
ジョーン(女)はその宗教の勢いを食い止めるために、キューバへ向かう。恋人のレイと別れて。
レイはジャズのハープ奏者で、テレパスで、自殺した前妻がいる(ここでもう悲痛で暗い雰囲気が…)

しかし騙され、ジョーンは拘束される。
宗教の取り締まりが激化し、信者必須アイテム「共感ボックス」の所持が禁止される。
これは教祖マーサと痛覚を共有するアイテム。
マーサがどこにいるか誰もわからない。ただ荒野を歩いている姿がTVに映っている。
反発したレイはTVで信者であることを告白。
二人はなんとか空港で合流し、FBIの追跡から逃亡を試みる。

レイのフラグ建築↓
「こうしよう。ふたりでこっそりここを抜けだし、ロウアー・イーストサイドで小さい安アパートを借りるんだ。そこに身を隠して――」

これにジョーンは「なんでもあなたのいうとおりに」と暗い声で返答。

こっからのレイのセリフが……


「ぼくを愛してる?」
レイは彼女に尋ねた。
「きみの心を読もう。うん、愛してるね」








なにこれ…クッソ…なにこれ……
萌えるというか、ヤンデレっぽいというか、現在の危機的状況でも「相手が自分を愛している」という確信が欲しいから、欲しいのは持っていないから、テレパスっちゃうとか。一番確実だけど、一番悲しい方法じゃんねそれ。



で、逃亡途中、空港の出口で怪しい出店を発見。
<メリー・ミール>という商品の無料見本をもらう二人。
乗ったタクシーで、中をあけると、「普通の家庭用品を使って、共感ボックスを組み立てる方法」というメモが。
驚き、少しの希望を手にする二人。
うしろのタクシーにはFBIが。
ふたりは覚悟して、タクシーをおりる。
ここで物語は終わる。




……で、この、レイ。レイ・メリタン。
なんかフランスっぽい名前(わからんけど)
話し方とか、読んでる内に脳内で兄ちゃんに変換されておった。


もう一つ印象的なの。
教祖マーサは、宗教の教祖という胡散臭いイメージとかかけ離れてる。修行中で疲れきったブッダさん?的なかんじ。



「わたしはきみの友人だ。しかし、きみは自分で生き抜かなくてはいけない。まるでわたしが存在しないように。わかるかね?」
ジョーン「いいえ、わかりません」
「どうしてわたしがきみを救える? 自分自身も救えないのに。わからないかね? 救済はどこにもないんだ」
ジョーン「じゃ、このすべてはなんのためなんですか?」
「きみが孤独でないことを教えるためだ。わたしはきみとここにおり、これからもつねにいるだろう。帰って、彼らと対決しなさい。そして彼らにそういってやりなさい」




なんか、救済はどこにもないでガチムチパンツレスリングの「救いはないんですか!?」を思い出したけど、この言葉って、なんか、深く沈んだっていうか、ほお、なるほどね?ってなった。



私のクソ説明じゃあんまりにもアレなので、ぜひ読んでみてください!(結論)

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