APH−HETARIA’S NOVEL
□俺のヒーロー
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そんなアメリカさんだが、唯一欠点がある。それは。
「やっほー!イギリスー!!相変わらず変な格好だな!!」
「んなっ!!誰が変な格好だ!!テメェのほうが数百倍もちんちくりんだろうが、バカ!!」
「「お前らうるさい」」
イギリスの野郎なんかを兄貴にしちまったことだ。
チクショー、あの野郎!!アメリカさんに向かって暴言吐きやがって!!
俺の秘めたる「モロちゃんキック」をお見舞いしてやろうかぁ?!
「……おい、アメリカ。さっきから嫌な殺気を感じるんだが…」
「ん?俺は何も感じないぞ。気のせいじゃないかい?そうじゃなけりゃまた君の「お友達」が周りに浮いてるんだろ」
「そ、そうか……」
「ああ!まあ君は俺と違って恨み買いまくってるからな!そいつらかもしれないぞ」
「……なんだよ、その言い方」
なんなんだよ!あのイギリスクソ野郎!!
アメリカさんにくっつくんじゃねぇ!!テメェッ…!!あーちくしょうなんだよ!!
髪を戻して、サングラスをはずす。
窓の外から中の様子を覗いてたけど、もうこれ以上見てらんねぇ。
イギリスとアメリカさんを見ていたら、どんどん自分が黒くなる。
親分とられたみてぇでよ……。悔しいんだよ……。
アメリカさん……楽しそうだった…。
はあ…っとため息ついて、しばらく窓の下でたそがれちまった。
ったく、この気持ちいい天気の日に、なに落ち込んでんだよ、俺。
「……」
「……」
「…モロッシア」
「ひやぁぁぁぁっ?!!!!」
急に低いアメリカさんの声がしたから、驚いて変な声をだしちまった。
カッコわりー…。
「ぷっ、あははははは!!!!」
窓から顔を出すアメリカさんが可笑しそうに喉を振るわせた。
涙まで流してそれはもう愉快そうに。
「わ、笑わないでくださいよー」
「だって君が可愛い声だすから…ぷっ」
「かかかかかか可愛いいいわけなななないでしょ!!!」
「わわっ!!ソーリーソーリー!!お願いだから泣くのだけは勘弁してくれよ〜」
「泣いてません!目にゴミが入っただけです!」
そうそう!俺は泣いてなんかねぇ!!
「…で、どうして世界会議に?」
「あっ!…あ〜それは…」
「お迎えかなにかかい?」
「え?」
「じゃあ、俺と一緒に帰るかい?」
「……え!!」
「はは。といっても、戦闘機だからほとんど話もできないけどさ。でも、俺のお迎えできたなら、構わないだろ?」
「は、はいっ!!」
アメリカさんと帰れる!!
もうはじめの会話なんざ覚えてねぇ。
アメリカさんの運転する戦闘機で、一緒に帰るんだ!嬉しくてしょうがない。
イギリスにはゼッテーできねぇだろ!!
「じゃ、もうちょっと待っててくれるかい?」
「はい!!」
「会議ももう少しで終わりそうだし、そんなに待たなくてもそさそうだぞ」
そういって、アメリカさんは去っていった。
くっそぉー!!超かっこいい!!
去る時も爽やかな風が吹くんだよな!マジで映画のヒーローみてぇだ。
アメリカさん。
俺の尊敬する人。
「おい、アメリカ。あれ……」
「ああ〜彼かい?彼はモロッシアだよ。俺んちのミクロネーションくん」
「あいつ、さっきから俺のこと睨んでねぇか?」
「え?――まさか!君の気のせいにきまってるよ!」
「そ、そうか?」
「だって彼、日本みたいにおとなしくて真面目なんだぞ。いくら性格悪い君でも、睨んだりしないよ」
「(や、やけに擁護するな…)な、なあ。今度、アイツに会わせてくれよ。お前がそこまでいうんなら、会ってやらないこともな」
「わかった」
「お、おう…(なんかやけに嫌な予感もするしな)」
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私が思うヤンキー像ってひたすら親分を敬愛してる感じ。