APH−HETARIA’S NOVEL
□読める空気探し隊出動だ!!
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「「このAKY!!」」
「「パスタはいいから空気読め!!」」
世界会議で皆から罵られ早2時間。
ヴェネチアーノは一人、野原で寝転びながら雲を見ていた。
あ〜あ。また皆に怒られちゃったな〜。
今日は珍しく菊にも怒られちゃったし。
空気って、読めるのかな〜。
…あ!あの雲、ルートの髪型にそっくり〜。
反省してるのかしてないのか、よく分からないがとりあえずヴェネチアーノは黄昏てた。
そこに、大きな黒い影が落ちてくる。
「Hey!」
聞き覚えのある声に目を開くと、そこには同志とも言うべきもう一人のKY、アルフレッドが。
「ヴェネチアーノ、一緒に『読める空気』を探しに行かないかい?」
それは、新たな冒険への招待。
一瞬きょとんとした後、ヴェネチアーノは目を輝かせてうなずいたのだった。
「うん!!」
「なにやってんだ、ヴェネチアーノは」
そんな二人を見てるのは、ヴェネチアーノの保護者友人のルートヴィッヒ。
訓練で野原の近くを走っていたところ、二人を見かけたのだった。
変なこと始めなきゃいいんだが……。
いつも巻き添えを食らうルートは、他者にまで被害が及ばないかが心配だった。
と、そこへ現れたのはアーサー。高性能の双眼鏡で二人を見ている。
「……おい。アーサー」
声をかけると、水をかけられた猫のように背中が波打つアーサーに、ルート自身もびっくりする。
「ぅわっ……!!!な、なんだ、クラウツの野郎じゃねぇか。んだよ」
「いや……。ただ、お前には、弟の行動を観察する趣味でもあるのか?」
「なっ!!!っざけんじゃねぇ!!んなアブノーマルな趣味はねぇよ!!……てめぇこそ、ヴェネチアーノの監視か?」
「いや、俺の場合は偶然だ。ランニングをしていたら、あいつを見かけてな」
「ふーん」
つまらなさそうに相槌を打って、再び双眼鏡を目に当てる。
その様子を観察していたら、アーサーがふっとこちらを見つめ返した。
「んだよ」
「別に」
「どーせ、『お前のほうこそ、アルフレッドの監視してるじゃないか』とか考えてんだろ」
「そんなことは…」
「この双眼鏡は、バードウォッチングのために持ってきた奴だよ」
「え…?」
「悪いか?ここでバードウォッチングしてたら」
「いや…別に悪いとは……。しかし、いいのか?ここら辺は普段俺がトレーニングしてる場所だぞ?」
「げっ!!」
「よーし!!まずはヨーロッパから探しにいくぞー!!」
「いえっさ〜」
「あ、やべ。あいつらどこか行くみたいだ」
「俺たちも追いかけるか?」
「…気に食わないが、今回だけは特別だ!」
こうして、一組の冒険家と、一組の探偵が生まれたのであった。