APH−HETARIA’S NOVEL

□読める空気探し隊出動だ!!
1ページ/4ページ

「「このAKY!!」」
「「パスタはいいから空気読め!!」」



 世界会議で皆から罵られ早2時間。
 ヴェネチアーノは一人、野原で寝転びながら雲を見ていた。

 あ〜あ。また皆に怒られちゃったな〜。
 今日は珍しく菊にも怒られちゃったし。
 空気って、読めるのかな〜。
 …あ!あの雲、ルートの髪型にそっくり〜。

 反省してるのかしてないのか、よく分からないがとりあえずヴェネチアーノは黄昏てた。
 そこに、大きな黒い影が落ちてくる。

「Hey!」

 聞き覚えのある声に目を開くと、そこには同志とも言うべきもう一人のKY、アルフレッドが。

「ヴェネチアーノ、一緒に『読める空気』を探しに行かないかい?」

 それは、新たな冒険への招待。
 一瞬きょとんとした後、ヴェネチアーノは目を輝かせてうなずいたのだった。

「うん!!」




「なにやってんだ、ヴェネチアーノは」

 そんな二人を見てるのは、ヴェネチアーノの保護者友人のルートヴィッヒ。
 訓練で野原の近くを走っていたところ、二人を見かけたのだった。

 変なこと始めなきゃいいんだが……。

 いつも巻き添えを食らうルートは、他者にまで被害が及ばないかが心配だった。
 と、そこへ現れたのはアーサー。高性能の双眼鏡で二人を見ている。

「……おい。アーサー」

 声をかけると、水をかけられた猫のように背中が波打つアーサーに、ルート自身もびっくりする。

「ぅわっ……!!!な、なんだ、クラウツの野郎じゃねぇか。んだよ」
「いや……。ただ、お前には、弟の行動を観察する趣味でもあるのか?」
「なっ!!!っざけんじゃねぇ!!んなアブノーマルな趣味はねぇよ!!……てめぇこそ、ヴェネチアーノの監視か?」
「いや、俺の場合は偶然だ。ランニングをしていたら、あいつを見かけてな」
「ふーん」

 つまらなさそうに相槌を打って、再び双眼鏡を目に当てる。
 その様子を観察していたら、アーサーがふっとこちらを見つめ返した。

「んだよ」
「別に」
「どーせ、『お前のほうこそ、アルフレッドの監視してるじゃないか』とか考えてんだろ」
「そんなことは…」
「この双眼鏡は、バードウォッチングのために持ってきた奴だよ」
「え…?」
「悪いか?ここでバードウォッチングしてたら」
「いや…別に悪いとは……。しかし、いいのか?ここら辺は普段俺がトレーニングしてる場所だぞ?」
「げっ!!」


「よーし!!まずはヨーロッパから探しにいくぞー!!」
「いえっさ〜」


「あ、やべ。あいつらどこか行くみたいだ」
「俺たちも追いかけるか?」
「…気に食わないが、今回だけは特別だ!」


 こうして、一組の冒険家と、一組の探偵が生まれたのであった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ