APH−HETARIA’S NOVEL

□俺のヒーロー
1ページ/3ページ

 俺の名前はモロッシア。
 アメリカのとある場所で国やってるヤクザだ。
 あ゛あ゛?!誰が優男だ!!
 あんな農業やってる男は俺じゃねぇ!!
 ガンつけてるとぶっとばすぞ!!

 …ったくよ。
 ま、こんなワルの俺だけどよ、一人だけ、尊敬してやまねぇ人もいるんだよ。
 そのお方の名前は。

 アメリカ。

 そ。アメリカってんだ。
 女の名前だけど、アメリカさん自身は誰にも引けをとらねぇくらいカッコイイんだ。
 世界でもトップだし。
 誰もあの人を抑えることはできねぇ。
 なのに世界征服しようとも思わないで、正義のためなら自分の身がどうなってもいいって考えてんだ。

 どうだ。すげぇだろ!!

 俺はそんなアメリカさんから生まれた。
 今は誰も入ってこれねぇように観光客の数も決めてるけどよ。
 それもこれも、アメリカさんに近づくために、こっそり鍛えてるからなんだぜ?

 とはいっても、アメリカさんにはこのイカシた格好を見せたことはねぇ。
 普段は温厚でマジメなカタギで通してる。
 だって…よ。
 アメリカさんが好きなのは素朴で純粋な奴って聞いたからよ。
 こんな格好してたら、避けられちまうし。
 いや、これが俺の素だけど…(ゴニョゴニョ

 な、なんだよ!!ガンつけんじゃねぇ、ぶっとばすぞ!!
 いいか、まだ試したことはねぇけど俺には脅威のモロッシアパンチが……「おーい、モロッシアー?」……やべっ!!アメリカさんだ!!


「あれ〜?いま誰かと話していなかったかい?」
「きききき気のせいですよ!」
「ん?なに慌ててるんだい?」
「……〜〜〜っ!!(顔近い〜!!)」
「はは、顔が真っ赤なんだぞ!」


 にこにこ笑ってるアメリカさんは見てるだけで眩しい。
 俺は将来、アメリカさんのように強くなるんだ。そして、アメリカさんの手助けが出来る男になりてぇ。


「あ!アメリカさん…」
「なんだい?」
「こここここれ、うちで作った野菜デス…」


 なんとかアメリカさんを呼び止めておきたくて、とっさに掴んだ野菜を手渡す。
 くだらなくて、てっきり呆れられるかと思ってたら、意外にもアメリカさんは嬉しそうな顔をした。


「Wow!!オーガニックかい?!大きくて食べ応えありそうだな〜」
「は、はい!毎日手入れしましたから!」
「凄いな。でも、いいのかい?俺がもらっちゃっても」
「どうぞもらってください!これ、アメリカさんのこと思いながら作りました!」

「え……」

「あっ!!えと…」
「俺のこと……思って?」
「そそそそれは…!」

「そっか。ありがとう」

「…っ!!」
「いやー恥ずかしいなー。俺のために作ってくれたなんて」


 頭をかきながら、本当に恥ずかしそうに笑うアメリカさん。
 裏表がない人なんだよ。やっぱり。


「ってことは、やっぱりモロッシアもみてたんだな。

――俺がダイエットしてるところ」


「…………ん??」
「助かるよー。実は、今食事の内容を変えて痩せるダイエットしててさ、。それには野菜をたくさん取るのが一番らしいんだよ。オーガニックなんだろ、これ。きっとこれを食べればすぐに成果がでそうなんだぞ!」

「あー…そうっすね」
「え、なんで急に泣き出すんだい?!
Hey,Hey!!モロッシア!君大丈夫かい?」
「いえ、AKYの凄さを目の当たりにして、つい……」
「What?AKYって、なんだいそれ?」
「なんでもありません。それよりその野菜、喜んでもらえてなによりです」
「ああ、そうかい?俺も、君に苦労かけた分、ちゃんと痩せないとな!!」


 にこっと笑うアメリカさんの笑顔には、やっぱり裏表はねぇ。
 真っ直ぐで正直で、その上ヒーローなんて…。

 かっこよすぎっすよ、アメリカさん。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ