APH−HETARIA’S NOVEL
□俺のヒーロー
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俺の名前はモロッシア。
アメリカのとある場所で国やってるヤクザだ。
あ゛あ゛?!誰が優男だ!!
あんな農業やってる男は俺じゃねぇ!!
ガンつけてるとぶっとばすぞ!!
…ったくよ。
ま、こんなワルの俺だけどよ、一人だけ、尊敬してやまねぇ人もいるんだよ。
そのお方の名前は。
アメリカ。
そ。アメリカってんだ。
女の名前だけど、アメリカさん自身は誰にも引けをとらねぇくらいカッコイイんだ。
世界でもトップだし。
誰もあの人を抑えることはできねぇ。
なのに世界征服しようとも思わないで、正義のためなら自分の身がどうなってもいいって考えてんだ。
どうだ。すげぇだろ!!
俺はそんなアメリカさんから生まれた。
今は誰も入ってこれねぇように観光客の数も決めてるけどよ。
それもこれも、アメリカさんに近づくために、こっそり鍛えてるからなんだぜ?
とはいっても、アメリカさんにはこのイカシた格好を見せたことはねぇ。
普段は温厚でマジメなカタギで通してる。
だって…よ。
アメリカさんが好きなのは素朴で純粋な奴って聞いたからよ。
こんな格好してたら、避けられちまうし。
いや、これが俺の素だけど…(ゴニョゴニョ
な、なんだよ!!ガンつけんじゃねぇ、ぶっとばすぞ!!
いいか、まだ試したことはねぇけど俺には脅威のモロッシアパンチが……「おーい、モロッシアー?」……やべっ!!アメリカさんだ!!
「あれ〜?いま誰かと話していなかったかい?」
「きききき気のせいですよ!」
「ん?なに慌ててるんだい?」
「……〜〜〜っ!!(顔近い〜!!)」
「はは、顔が真っ赤なんだぞ!」
にこにこ笑ってるアメリカさんは見てるだけで眩しい。
俺は将来、アメリカさんのように強くなるんだ。そして、アメリカさんの手助けが出来る男になりてぇ。
「あ!アメリカさん…」
「なんだい?」
「こここここれ、うちで作った野菜デス…」
なんとかアメリカさんを呼び止めておきたくて、とっさに掴んだ野菜を手渡す。
くだらなくて、てっきり呆れられるかと思ってたら、意外にもアメリカさんは嬉しそうな顔をした。
「Wow!!オーガニックかい?!大きくて食べ応えありそうだな〜」
「は、はい!毎日手入れしましたから!」
「凄いな。でも、いいのかい?俺がもらっちゃっても」
「どうぞもらってください!これ、アメリカさんのこと思いながら作りました!」
「え……」
「あっ!!えと…」
「俺のこと……思って?」
「そそそそれは…!」
「そっか。ありがとう」
「…っ!!」
「いやー恥ずかしいなー。俺のために作ってくれたなんて」
頭をかきながら、本当に恥ずかしそうに笑うアメリカさん。
裏表がない人なんだよ。やっぱり。
「ってことは、やっぱりモロッシアもみてたんだな。
――俺がダイエットしてるところ」
「…………ん??」
「助かるよー。実は、今食事の内容を変えて痩せるダイエットしててさ、。それには野菜をたくさん取るのが一番らしいんだよ。オーガニックなんだろ、これ。きっとこれを食べればすぐに成果がでそうなんだぞ!」
「あー…そうっすね」
「え、なんで急に泣き出すんだい?!
Hey,Hey!!モロッシア!君大丈夫かい?」
「いえ、AKYの凄さを目の当たりにして、つい……」
「What?AKYって、なんだいそれ?」
「なんでもありません。それよりその野菜、喜んでもらえてなによりです」
「ああ、そうかい?俺も、君に苦労かけた分、ちゃんと痩せないとな!!」
にこっと笑うアメリカさんの笑顔には、やっぱり裏表はねぇ。
真っ直ぐで正直で、その上ヒーローなんて…。
かっこよすぎっすよ、アメリカさん。