☆Shugo Dream☆
□第一話
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調度一ヶ月程前・・・
今と変わらない様子で、
少女は窓の外を傍観しながら
旋律を奏でていた・・・。
ただ一つ違う事といえば・・・
パリイィィインッッツツ!!
破裂音と共に、床に散らばる
花瓶の残骸。
そして、花瓶と共に床に
散らばった誰かからの見舞いの品と思われる花々。
破裂音を聞いて
誰も来ないはずもなく
慌てた様子の看護師が
部屋へ入ってくる。
看護師は床に破片と共に
散らばっている花々を見ながら言った。
――「残念ね、綺麗に咲いていたのに・・・。」
それを見ていた少女も対抗する様に口を開く。
――「山本さん。そろそろシフト交代の時間でしょ。
やっと面倒な小娘のお守りから解放されるわよ・・・どう?
嬉しい?」
―――「・・・ノエルちゃん。」
―――「就業時間内の優しさなんていらないの。」
そう言うや否や、そこらじゅうにあるものを看護師に投げつけては叫び、なんとかこの部屋から追い出そうとする。
そろそろ看護師も諦めて
部屋を出ようとしたその時、
部屋の入口から聞こえてくる声に、ノエルは思わず物を投げつけていた手を止めた。
――「・・・イクト?」
すると、そこに居る青年は微笑を浮かべた。
――「久しぶりだな。ノエル。」
あぁ、この優しげな笑みは・・・
――「・・・イクトっ!!!」
・・・私の愛しの片割れ。