☆Gackt DreamA☆

□プロローグ
1ページ/1ページ


その日の夜、

僕は車で自宅付近の道を
通っていた。


「ん…?あの子…」


すると、
ふと目前の電柱に目がとまった。


そこには
少女が膝を抱えて座っていた。

いや、うずくまっている様にも見える。


「(こんな夜中に危ないな…)」

そう思い、
僕は車から降りて
その少女へ声をかけた。


「君、大丈夫?
こんな夜中に危ないよ?」


すると、少女は
静かに顔を上げた。


その瞬間、
僕は少女に目を奪われた。


僕を見つめるエメラルドグリーンの瞳、
クリーム色の長髪、

それらを際立たせている
異国の顔立ち ―


全てが美しかった。


すると、
少女は小さく何かを呟いた。


「…みつけた。」


僕は呆然としていた顔を
元に戻し、

再度少女に話し掛ける。


「君、家は何処?
送ってあげようか?」


改めて思うと、
不審者が言う様な台詞だ。


「ない。」


・・・ない?

つまり家出か?


「家出したの?」


すると、
少女は小さく首を横にふる。


「…ない。」


・・・困った。

孤児か?

虐待でもされているのか?


どちらにせよ、
今夜は家には帰せまい。


「取り敢えず、僕の家においで。」


頼むから変な誤解は
しないでくれよ。


「……(コクッ」


少女は静かに頷いた。


それに僕は一安心し、
少女に手を差し延べる。


少女はその手を取り、
僕に続き車に乗り込んだ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ