☆Gackt DreamA☆
□プロローグ
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その日の夜、
僕は車で自宅付近の道を
通っていた。
「ん…?あの子…」
すると、
ふと目前の電柱に目がとまった。
そこには
少女が膝を抱えて座っていた。
いや、うずくまっている様にも見える。
「(こんな夜中に危ないな…)」
そう思い、
僕は車から降りて
その少女へ声をかけた。
「君、大丈夫?
こんな夜中に危ないよ?」
すると、少女は
静かに顔を上げた。
その瞬間、
僕は少女に目を奪われた。
僕を見つめるエメラルドグリーンの瞳、
クリーム色の長髪、
それらを際立たせている
異国の顔立ち ―
全てが美しかった。
すると、
少女は小さく何かを呟いた。
「…みつけた。」
僕は呆然としていた顔を
元に戻し、
再度少女に話し掛ける。
「君、家は何処?
送ってあげようか?」
改めて思うと、
不審者が言う様な台詞だ。
「ない。」
・・・ない?
つまり家出か?
「家出したの?」
すると、
少女は小さく首を横にふる。
「…ない。」
・・・困った。
孤児か?
虐待でもされているのか?
どちらにせよ、
今夜は家には帰せまい。
「取り敢えず、僕の家においで。」
頼むから変な誤解は
しないでくれよ。
「……(コクッ」
少女は静かに頷いた。
それに僕は一安心し、
少女に手を差し延べる。
少女はその手を取り、
僕に続き車に乗り込んだ。