平成幻想録・文

□第14説
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屋上へ着けば、澄んだ青空が広がっていて、そよ風がとても気持ちいい。
愛那自身屋上へ行くことがあまりなかったためこれからはもっと来てみようかなと思うほど。

しかしその前にやるべきことがある。
目の前に立っている紬との話し合い。
彼女ときちんと話し合わなければきっと先には進めない、そんな気がしていた。


『…あのね』

「愛那はさなんでも一人で溜め込んじゃうんだよ。いつもそう。だれにも相談しないで一人で苦しんでる」


自分の言葉を遮られ、言われた言葉は重くのし掛かる。
ごめん、そう謝ろうとしたがそれさえも遮られる。


「私達は親友でしょ?何でも…何て言わない。でも、辛いなら、苦しんでるなら相談くらいしてよ」

『紬…っ私は…あなたを巻き込みたくなかった。大切な友達だから。でも、そんなんじゃダメなんだよね。
紬は知りたいものがあったらダメって言われても追求する子だもん。
隠してたってきっと無駄。だからね…近くで、守りたい』

「悪いけど私、守られるだけは性に合わないの。できることは少ないと思うけど私も一緒に戦うよ!」


紬は愛那の両手を握りしめて真剣な眼差しで彼女に言った。
一瞬目を見開いたがすぐに優しい表情になり頷く。


『ありがとう…』


その言葉だけで愛那は嬉しかった。
一人じゃないんだ、と思えるから。


「ところで…」


先程の声色とは打って変わり、企んでいるような表情をしている。


「さっきの、気になることは納得するまで追求するってどーゆーこと!?」

『私そんなこと言ってないよ!てか自分でもわかって…』

「うるさい!私にはそう聞こえたの!」

『でもホントのことでしょ?』

「違うから!」


全力で否定する紬をニヤニヤしながらみる。
顔を真っ赤にしながら愛那を叩くがいなくないわけがなく、それを避けるために逃げ回っている。
その表情は暗い顔ではなくとても楽しそうで…二人は幸せそうだった。



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