平成幻想録・文

□第9説
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昨夜の出来事から一夜明けた朝、外は快晴、そしてベッドで眠る少女を起こすかのように小鳥たちが鳴いていた。

その時彼女はうっすらと目をあけた。


『…ここは…』


起きたばかりで頭がしっかり働いていないなか、ゆっくりと昨日あったことを思い出していた。
ハッとしてその場に起き上がった。
そのままベッドから降りて部屋を出ようとしたときだった。

愛那がドアを開ける前に開いたのだ。
目の前にいたのは玄武。
彼を見上げると今までとなにかが違う、そう感じた。


「起きたのか…大丈夫か?」

『う、うん。あっねぇ昨日のは一体なんなの!?私の友達は!?それになんか貴方…!?』


なんかちがう…
そういう前に体が宙に浮いたのだ。
気づけば自分より遥かにでかい玄武がとても近くて、彼の腕は愛那の首と膝裏にあった。
そう、所謂姫抱きというもの。
今回のでそれをされたのは2回目であったがやはり慣れないもの。


『ちょ。どこに連れていくのよ!』

「リビングだ」

『いや、歩けるから!おろしてよ!』

「…ここでか?」


彼女がおろしてと言った場所は階段。
流石におろすことはちょっと難しい。
諦めたのかなにも言わずに大人しくした。


「愛那!起きたのか、はよ!」

「はよー!」

「…おはよう」

『おはよう』


リビングに着くとおろしてくれて皆からの挨拶が待っていた。
彼らを見ると先程の玄武のように何かが違っていた。
何て言うかオーラと言うかなんと言うか包まれているような…そんな感じ


「まず、お前の友人のことだが、安心しろ。ちゃんと家まで送り届けたから」


それを聞いてよかった、と安堵した。
しかし愛那が聞きたかったのはそれだけじゃない。
むしろもうひとつの方が知りたいのだ。


『昨日の…あれは、何?』

「…それは」


玄武の表情が少しだけ崩れた。
しかし説明をしなければならない。
この先なにがあろうともそれは彼女にとって宿命だから。

口を開いたその時家のチャイムがなった。
この空気の中鳴ったため肩が ビクッとなった。


『はーい!』

「あ、おはようございます。愛那様」

『え、あ、おはよう…』


ドアを開ければそこにいたのは相模。
朝からどうしたのかと思ったが大事なことを思い出した。


『か、体大丈夫なの!?』

「はい、それは。ちゃんとこの通り」

『そう、よかった…』


ニコニコと笑顔の彼を見て安心した。
今朝から安心してばかりだ。



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