平成幻想録・文

□第5説
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『玄武ーっ』

「なんだ?」

『私ちょっとでかけてくるから家の事よろしくね』

「分かった」


かわいらしい格好をしてバッグを持ってリビングへ行き、家のことを頼んだ。
ソファに寝ころんでいた青龍がむくっと起きて、度お子へ行くのかをしつこく聞いてきたが軽くあしらって家を出た。


「んだよ、教えてくれてもいいじゃねぇか」

「隣の神社に行ったとおもうが」

「…その神社結界はってるな」

「白虎も気づいたんだ?」

「…(言ったほうがいいだろうか)」



そう神社には結界がはってあるのだ。
それは普通の人には分からないし見えることもない。
彼らが見えるのは人間じゃないから。
しかし、引っかかる。
神社に結界をはったのは一体誰なのか…
玄武はそれを知っているようだが…


「彼女が来ましたか…」


袴を着た男性は眼鏡を掛けその白緑の髪をなびかせている。
彼は微笑みながら階段の方を見ていた。


『あ、大裳さん、こんにちは!』

「こんにちは、愛那さん。学校は終わったんですか?」

『はい。今日は部活もないので。それにみんなに会いたかったですし』

「フフ、それはうれしいですね」


彼の名前は大裳。
格好からしてわかるかと思うが、この神社の神主をしている。
大裳は持っていたホウキをかたし、愛那と一緒に母屋に入る。
廊下を歩いていると男性の声がいくつか聞こえてるくる。
また喧嘩してるのか、と苦笑いをする愛那。
それに気づいた大裳はクスッと笑っていた。


『また喧嘩してるの?』

「「愛那/ちゃん!」」

『騰蛇も六合もほどほどにしなよ』


愛那にそういわれるもお互いに一歩身を引かずに二人の間には火花が散っていた。

騰蛇と呼ばれた男は目付きが悪く、前髪を真ん中分けした橙色の短髪で、カジュアルな服がとても似合う。
一方六合と呼ばれた男は鳶色の髪で肩につくくらいの長さ。
そして和服が似合うのだ。
そのためか二人は馬が合わずいつも喧嘩をしているのだ。


「さっかく愛那が来たんだからいい加減にしなよ」

「そうよ。みっともないわ」

『勾陣!天后!』


後ろから声がして振り向くと、藍色の髪の薄紅藤の双眸をした女性、勾陣と
金髪でボブミディアムで少しゆるふわな感じ、そして桜色の双眸をした女性、天后がそこにいた。


「久しぶりだな、愛那」

「久しぶり、愛那ちゃん」

『久しぶり、二人とも』


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