平成幻想録・文
□第1説
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「何故閉める?あ、どこかへ行くのか?だったら牛乳を買ってきてくれるのか。先程見たら切れていたよだったのでな」
マッチョはそう言うと家に入っていった。
『…何故家の事を…つかあいつは誰なんだぁぁぁぁああああっ!!』
周りの人がジロジロ見てきたがそんなもの知らない。
彼女の知らない人が家にいて、しかも牛乳を買ってきてと頼まれるなんておかしいのだから。
そして数分後…。
『……買ってきたよ。買ってきたけども…どうすれば…』
自分の家なのに中に入ることをためらう愛那。
意を決してはいろうとしたその時、ドアが開いたのだ。
「愛那。遅かったじゃないか。心配したぞ。ん?牛乳買ってきてくれたのか。ありがとう」
彼はそれを手に取り、中へ入っていく。
必死で言葉を探しているとマッチョは私の名前を呼びながらやってきた。
『ご飯はまだ作っていないのだが何がいい?洋食家、和食か?それとも中華か?』
おたまを持ちながら、そう言ってくるマッチョ。
え、何、そのご飯にする?お風呂にする?それとも私?みたいなノリ。
口には出さないが頭の中でツッコむ。
「どうした?」
『あの…その前に…あなた誰?』
やっと出た言葉がそれだった。
目の前のマッチョは手に持っていたおたまを床に落とした。
「…わからないのか?」
おそるおそる聞いてくるマッチョ
もう一度いう。
愛那にマッチョの知り合いはいない。
故に彼のことも知るはずもない。
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