うちの事務所はどうもまとまりがないようです・文

□第2説
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緊急記者会見から一時間程経ち、サンライズ事務所の社長が帰ってきた。

彼が部屋に入ってくるなりアイドル達は一気に質問攻めした。


「皆、一気に聞いたって社長は答えられないよ?」


社長の後ろから入ってきた愛那によって制された。
それは最もなことで落ち着きを取り戻した皆。

社長は椅子に座り机に両肘をついた。
そして手に顎を乗せ、皆を見る。
その顔はとても真剣な表情をしていて何人かはゴクリッと喉を鳴らす。


「まず、何故愛那達をユニットにしたのかというと………








ノリだ」

「…は?」


それは全員の言葉だった。
ユニットを既に組んでいるクレス達もその理由に目を丸くさせていた。


「え、ノリだったの、あたし達がユニットを組むことになったのって…」

「あぁ」

「あぁ、じゃないですよ!全くもう! 」


愛那達のユニット結成がこれならもしかしたら自分達の理由も…と密かに思っていた男性陣だった。


「あれ、でも誰がリーダーになるの?」

「…愛那が適任だと思う」

「え、私なの!?」

「まぁ、この面子だと適任は愛那か琴羽だろうな」


リノはリーダーに向かないし秋乃と真琴はあまり喋らないから論外。
だとしたら、ハキハキしている愛那や琴羽が向いているだろう。
普段から皆を引っ張ってくれる愛那ならリーダーになっても誰も文句はいうまい。

愛那自身は顔をしかめていた。
いつも自分が何かを指示していて、たまには他の人達もやるべきなのではないかと。
もちろんやりたくないわけではない。
自分を信頼してくれているのはとても嬉しい。
けれど、リノや真琴達がダメでも琴羽がいる。


「私は愛那ちゃんがいい!」

「それに、一番情報を持ってきやすいの、愛那だろうし…」

「一番社長に近い存在だしね!」

「…皆…」

「決まったみたいだな」


全員合意の上でリーダーが決まったようだ。


「流石です愛那様っ!!」

「いや、意味が分からないし、ちょっと黙ってようか相模」

「ま、愛那様…」


褒めたことを無にされ、しょぼんとした表情をする相模。
そんな彼を白虎は頭を撫でながら慰めていた。
白虎は普段あまり口を開かないがこういうのには敏感というかなんというか、人が元気になる言葉を発したりする。


「さてと、やらなきゃいけないこと、しなきゃね」


カレンダーを見ながら、ニコッと笑う愛那。
それに続いて琴羽達も笑顔になり、急いで事務所を出ていった。



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