人が増えたと思ったら今度は人が降ってきた!?・文
□第4説
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次の日の朝。
客人もいることもあり愛那ははやく起きた。
階段を降りているととてもいい匂いがする。
玄武が朝御飯を作っているのだろうか。
こんな大人数分作るのは大変だろう、と思ってリビングへ行くとそこには玄武ではなく、クレスとアレルがいたのだ。
『あ…』
「あ、悪い。勝手に使わせてもらってる」
『あ、いや、それはいいんだけど…』
「ここにいる間なにもしないわけはいかないからね。僕達一応料理できるからさ、作ろうかなって思って」
『あ、ありがとう…大変でしょこんな大人数』
「まぁな。だけど、作りがいがある」
「確かに」
彼らはまた作業に戻っていった。
すでに出来上がっている料理を見ればとてもおいしそうだった。
彼らが作っているのを見ているだけじゃ朝早くで暇なので、人数分の茶碗や箸をだして並べていた。
「愛那ちゃん」
『…え?んぅっ』
アレルに名前を呼ばれて振り替えると何かを口に入れられた。
口のなかに広がるその味は少し苦いのだが塩分が聞いていて、おいしかった。
「…どう?」
『おいしい…』
「よかった。愛那ちゃんの口に合うなら他のも大丈夫かな」
ニコッと笑うとキッチンへ入っていく。
愛那はいきなりのことで固まってしまった。
クレスはキッチンの奥で溜め息をついている。
アレル自身自覚していないため料理の続きをしているのだが。
愛那は玄武達が来るまでずっと固まってたとか。
クレス?
彼はそっとしておいたらしいよ。
『(びっくりした…)』
驚きと戸惑いが隠せずにいた。
横目でアレルを見ながら胸を撫で下ろしていた。
クレス達が用意してくれた朝御飯を皆で食べ、愛那は食器を洗おうとしていたのだが、リノと真琴が洗ってくれた。
『なんかすごく悪いんだけど…』
「お昼は私も手伝います」
『え、でも…』
「少なくともここにいる間はなにかいたします。ただいるだけでは悪いので」
そこまで言われてしまっては、彼女達の気持ちを無に出来ないので、そこは頷いていた。
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