平成幻想録・文
□第13説
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長い時間そういうことを考えていたせいで教室にクラスメイト達が入ってきたのも話しかけられるまで気づかなかった。
「愛那、どうしたの?」
『なんでもないよ』
クラスメイトに心配されるが誰かに言える話でもないので苦笑いしながらごまかした。
「おっはよー!」
「おはよう、紬!」
その声に反応し、ぼんやりとした表情で彼女達を見る。
話したいけど、この状況を作ってしまったのは自分だ。
自業自得だと思っていると後ろから声がした。
「愛那、おはよう!」
『!お、おはよう…』
「もー!なにおどろいてんの!?」
振り向けばそこにいたのは紬。
思わず声が震えてしまった。
『…ねぇ、少しいい?』
「…うん。私も話がある」
窓が開いていたため、風が吹き抜け髪が揺れる。
お互い腹を決めた顔をしていた。
心のモヤモヤを取り除くために話し合おうとしていたのだったーーーー。
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