人が増えたと思ったら今度は人が降ってきた!?・文

□第3説
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彼女達にとって狐がしゃべるなんてことは普通なのだが、異世界から来た彼らにとっては普通ではないのだ。


「狐って喋るのか…?」

「そんなの聞いたことないけど…」


お互いに顔を見合わせながら狐の生態について話している二人。
説明してないことを思いだし、彼らに相模達の事を話した。


「じゃぁ、人間にもなれるし狐にもなれるの?」

『うん。最初は私も驚いたんだけどね…』


そろそろ人間に戻ったら?
と愛那が言うので相模は頷き、彼から煙が出たかとおもったらそれはなくなり、人間の姿になっていた。


「はじめまして。僕は相模煌太と申します」

「俺は柏原悠人です。よろしくお願いします」

「…暁だ。」

「私は十六夜だ!よろしくな、アレス!クレル!リノ!真琴!」


彼に続き、人間に戻った柏原達は順々に自己紹介していった。
しかし最後の、十六夜の自己紹介に皆ん?となった。


「ちょっとまて、俺はクレルじゃなくてクレスだ!」

「僕もアレスじゃなくてアレルだよ」


自分の名前を間違えられるなどいい気持ちじゃない。
しかし十六夜はじじいなため何度も名前を間違えていた。
しかもこの二人だけ。
仕方ないのでもうなにも言わなかった。

後で十六夜が、秋乃に冷たい目で見られていたのは言わなくても分かることだろう。


『とりあえず、部屋案内するね。白虎、私の部屋の隣二つ空き部屋だからそこに案内してくれる?』

「…分かった」


着いてきて…ととてもダルそうな声色で言われ、それに着いていく真琴達。
その間、白虎は喋らなかったのでとても気まずかったそうだ。(クレス談)
真琴もあまり喋らないので似たようなものらしいが。

二人ずつで寝るには広すぎる部屋。
それでいて他の人もいる。
一体何部屋あるのだろうか。
一見普通の二階建てに見えるのだが…

愛那に聞けばはぐらかされてしまったらしい。

自分達の世界の造りではないため異様にソワソワしてしまう。
真琴は元々がこの世界の者だが。


「あ、そろそろ帰らなきゃ。」

「そうだね」

「ふむ、ではまたあしたくるぞ!ここは楽しそうだ!」


いや、修学旅行なんだろ

そう思う一同だった。
しかし、それを思っていたのは琴羽達も同じだったようで。


「十六夜と同じこと思ってたのか…」

「私は嬉しいぞ!!」

「…」


同じ思考をしていたことに嫌な顔をしながら彼を見ていた。
それに気づかず、嬉しそうな顔をしていた十六夜だった。

まぁ、琴羽達も同じことを思っていたが、それは見事にスルーされていた。

そこで気づく。
紀伊達はどうするのかと。


「そうですね…どうしますか?紀伊様」

「帰る時間だけど…」


外を見れば日が沈みかけている。
もっとはやく出ればよかったのだが、タイミングがつかめず今の状況に陥っていた。


『じゃぁ紀伊ちゃん達も泊まってく?』

「え?」

『真琴ちゃん達に貸した部屋だって結構広いから二人は離れるし、お互いにはじめてあったからぎこちないと思うけど…』


それでいいなら…と提案してくれた。
柏原は紀伊を見ると、彼女は頷き、二人も愛那の家に泊まっていくことになった。


こうして彼女達の奇妙な一週間が始まったのであった。



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