平成幻想録・文
□第3説
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そして数分後……。
『できた!』
あとはこれをリビングに持っていくだけだ。
チラッと彼かを見てみると掃除が終わったようで、片づけをしていた。
『お疲れさま!ごめんね、なんか押し付けちゃった見たいで』
「気にするな。好きでやったんだ」
「…」
「でも動いたらお腹すいてきちゃったよー!」
「同じく!」
ソファに座る朱雀と青龍に今から何かつくる、と玄武が言おうとした。
しかし愛那が作ってしまったため、彼が作る必要はない。
『いつも作ってもらってるしね。まぁ、玄武のには劣るけど、今まで伊達に一人暮らししてないから』
料理をテーブルに並べながら冷めないうちに食べてねと、言いキッチンへ戻ってしまった。
「おいしそう…」
「…」
「愛那のつくるご飯ははじめてだな」
「おいしそう!」
朱雀と青龍は目をキラキラさせてそれをみていた。
美味しそうに食べている姿を見て愛那は良かった、と安心していた。
「ごちそうさまっ!愛那、超美味しかったぞ!俺、お前の料理好きだ!」
『え、あ、ありがとう…』
笑顔でそういわれて悪い気がするはずもなく、お礼を言うと彼らが目を見開いて固まった。
『え、どうしたの…?』
「あ、いや…」
「…風呂入ってくるわ」
「…涼しんでくる」
「お、俺も!」
彼らは耳を赤くして彼女から離れるように散らばった。
彼らの行動の意味が分からず暫く頭をかしげていた愛那だった。
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