短編
□5.気にしてなんかいない
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「おはよう結城…ってどうしたの目!」
その翌日、私が教室に入ると一十木くんが挨拶をしつつ、私を見てひどく驚いた顔をした。後ろから着いてきた聖川くんも、全く同じ顔。昨日一年分泣いてしまったせいで、目が腫れてしまったのだ。どうやら心配してくれているらしい。
「何かあったなら、俺に言ってくれないか。その…友人として助言できると思うからな」
「ああ、ありがとう。でも大丈夫」
私は自分の唇を指でなぞって、とびきりの笑顔を見せる。昨日のことを思い出して、私は顔が赤くなった。恥ずかしいながらも、早く砂月くんに会いたくてそわそわと教室を見渡す。だが、それらしき人物はいない。
ガラガラ
教室のドアが開いた音がして、私は慌てて振り向いた。そこには翔くん。けれど、あからさまにがっかりすることはできず、翔くんに手を振った。すると彼は私たちの方に歩いて来て、こう告げた。
「今日、那月…じゃなかった砂月休むって」
「えええええ!なんで?」
思いっきり大声を出す私に、隣の二人がびくっと反応した。そして目を合わせて、どうしたのかねぇ、と首を傾げる。
「さあな。具合悪いんじゃねーの」
「ちょっと私急用ができた。一十木くん、先生に休むって言っといてー!」
「えっ?待って結城ー!」
そして私はカバンを持って勢いよく、教室を出た。
コンコン
「莉音でーす、砂月くん…?具合悪いの?大丈夫?入っていい?」
「質問が多いんだよ」
私がドアをノックして声をかけると同時に、いきなりドアが開いて砂月くんがニヤリと笑っていた。私は驚いて、思わず後ずさりをしてしまう。
「おっと…逃がさないぜ?」
腕を掴まれて、私は砂月くんの部屋へとお邪魔することになった。私は彼をまじまじと見つめたが、具合が悪いようには全く見えず、むしろいつもより楽しそうに見えた。
「ねぇ、なんで今日学校サボったの?具合悪いのかと思って、私も休んできちゃったじゃん」
「さあな、何故だと思う」
「えっ?うーん…見当もつかないんだけど」
すると彼は不意に座っていた私の手首を掴み、強引に彼の元へと抱き寄せた。そして、頬に軽く口づけ。
「さ、さささ砂月くん!?」
「ちょっと…お前を調教する必要があると思ってな」
後ろから抱きしめられているうえに、耳元で吐息混じりで話し掛けられて、私はドキドキが止まらない。彼はそんな私を見て、ふっと笑う。
「調教って…」
「ああ、心配するな。優しくしてやるから…」
「あっ!砂月くんっ!」
耳をぺろり、と舐められて私はぴくりと反応をしてしまう。くすぐったくてしょうがない。すると、彼の腕が私の腰にまわった。
「まずは…そうだな、砂月と呼べ。いいな」
「は、はいぃ」
首筋を舌でなぞられて、私の背筋はゾクゾクとする。そして無意識に身体を固くした。私は一体彼に何をされてしまうんだろう。不安な気持ちを持ちつつも、彼が次にどこに触れるのか少し期待してしまう自分がいた。しかし恥ずかしすぎて顔が熱っぽく、思わず手で顔を隠す。
「ほう…なかなかいい反応じゃないか、悪くない」
首筋から上がってきた彼の舌が、再び耳に触れ、彼はそのまま甘噛みを仕掛けてくる。そして、私の反応を味わうとそのまま頬にキスし、制服のリボンを解き始める。
「あ、あの…砂月っ!」
慌てて彼の名を呼びながら、私は必死になって彼の手を止める。
「…なんだよ、莉音…俺もう我慢できないぞ?」
「キスだけ…でも恥ずかしいのに、こんな…」
「俺はあの程度のこと、気にしてなんかいない。…もっと楽しいこと…しようぜ莉音…」
止まっていた手が再び動き出して、少しずつ衣服を脱がされていく。ボタンを片手で器用に外しながら、スカートの中で私の内股をゆっくりと撫で回す。そして、ついに彼の手がシャツの中に侵入し、下着の上から膨らみをやわやわと揉む。
「…ああっん…はぁ砂月…やあっ」
彼の刺激が私の身体を熱くするのと比例して、私の吐息や声はどんどん激しくなっていく。彼はそんな私を見てふっと笑うと、肩を押して組み敷く。
「…感じやすいんだな、お前。…可愛いよ」
「ち、ちがぁ…んああっやぁ…」
ブラジャーをずらされ、両手で胸の飾りを弄ばれて、びくん、と私の身体が反応する。そして片方の手が下半身へと伸びていく。
「あーあ、こんなに濡れて…お前…」
「やあああっ…そこは…!」
「…ここか?気持ちいいんだろう?素直になって…喘げ」
そうして彼は容赦なく、指を十分に潤った中へと入れていく。少しずつ様々なところを弄って、私のいいところを見つけると、彼は楽しそうにそこばかりを攻めた。そして時折胸の突起を口に含み、舐めたり甘く噛んだりと刺激を加える。
「はあっ…んあっやあぁ…も…限界…」
「…そうか」
すると彼はにやりと笑って、手を止めた。私は驚きを隠せないまま、彼に視線で訴える。
(こんな寸前で止める…なんて)
「どうした?物欲しそうな顔をして…」
頬をゆっくりと撫でられ、その手が首筋から鎖骨を撫でる。そして胸の飾りを微妙に避けつつ谷間にそって指をすーっと動かした。
「はぁっ…砂月ぃ…」
「…言葉で言わないとわからないぜ?さあ、何が欲しい。どこに触れられたいんだ…?」
舌で鎖骨を舐められながらも、私の下の口からはだらだらと愛液が流れ、ぴくぴくと動いている。
「…お願い、ねぇ分かる…でしょ?砂月…」
「…ふっ…だめだ。ちゃんと言え。おねだりできたら許してやる」
下の口の表面をさらり、と一回だけ撫でるとにやりと笑って、その指を自身の口に入れて舐めた。私は少しだけの刺激が物足りなくて、身体がもぞもぞと動いてしまう。
「おい、何腰振ってんだ…お前本当にエロいな莉音…」
「砂月ぃ…こんなのひど…い」
「…なら、素直になって言うんだな」
太股にキスをして、楽しそうに流れた液を舐める砂月。私は羞恥心で何も言えずにただ喘いでいた。
「ほら、早く言わないとやめちまうぞ?」
「や…やぁ…それだけは…ねぇお願い…」
「下の口は素直なのになぁ莉音…早く言えば楽になるぞ…?」
吐息混じりに囁かれて、私は涙を流しつつ小さい声で呟く。
「砂月…の…欲しい…」
「…ああ?聞こえなかった、もう一回言え…」
ふっと笑って私を楽しそうに見つめ、彼は私の腰をがっちりと抑えた。これで私の腰は動くことはない。
「砂月の…いれてほしい…!」
「いいぜ…?ご褒美だ。しかし言ったからには…ついて来いよ莉音…気持ち良くしてやるからな」
今、私たちは全てを終え、息を切らしながらお互いをぎゅっと抱きしめていた。彼の程よく筋肉がついた熱い身体に私は安心して、全てを預ける。
「はぁはぁっ…砂月鬼畜ぅ…」
「…お前が素直に言わないからだぞ、自業自得だ」
「…砂月、焦らすの好きなの…?本当タチ悪い…」
「お前が焦らされるのが好きなんだろうが、この変態」
「ええっ!」
私が大声をあげると、彼は笑って私の唇を自身の唇で塞いだ。そして長いこと愛を確かめあった後に、鎖骨に愛の印をつける。
「痛っ!…もう、砂月…」
「お前みたいな変態は、毎日調教する必要があるな」
「え、ちょ」
「とりあえず鎖や首輪…ってとこにしとくか…?」
「え」
「それとも…おもちゃで遊んでやろうか」
私がビクビクとしていると、彼は半分冗談だ、と笑って優しく触れるだけのキスをする。
(え、半分は本気なの…?)
「そんな顔で見るな…ムラっとする」
「もう…無理だって」
「ったく…好きだ、莉音」
唐突に紡がれた言葉に私は頬を染め、言葉のお返しにと彼の頬に軽くキスをする。すると彼は一瞬驚き顔を赤く染めると、強く私を抱きしめて熱い口づけを贈った。
(だめだ…止まらねえ)
(…あっ砂月っ!)