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□だって、なんか、恥ずかしくて
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「ふぁ…ふぉいひぃー!!!」
「……ちゃんと飲み込んでから喋りなよ。」
「ふぁ…。ふぅっ。ごめんねー。」
あははーと笑いながら、少し謝る。
「あ…、口元、ついてるよ。」
そう言って、退くんは私の顔に手を伸ばし、綿菓子を取った。
「えっ、えと……。」
「あ、いや、え、えっと………。」
妙に恥ずかしくなって、お互い真っ赤になって下を向いてしまった。
私たちは、付き合い始めて3ヶ月、まだ手を繋いだことさえない。
周りからは、『こいつら本当に付き合ってんのか?』みたいな目で見られるが仕方ない、
お互い相当奥手なのだ、多分。
「あ、退くん、あれ、えっと、りんご飴!そう、りんご飴あるよ!!行こう!!!」
妙に恥ずかしくなって、私は歩きだした。
退くんもついて来る。
端にはイチャつくカップル。
気にせず、無視して、歩いた。
ただ、なんか、恥ずかしくて。