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□Thank you!
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「ありゃ、今日新八いないんだ。」

「おう、姉ちゃんと旅行だってよ。羨ましいかぎりだぜ。」

「へー、旅行か、いいなー。」

なんて話しながら応接間に入る。

「!?」

するとそこには…

「穴?」

が開いてました。
床に。
近くにはトンカチなんか転がっている。

「銀さん、これどしたの?」

「あー、これなー、昨日神楽と喧嘩しちまってさぁ……。」

「喧嘩ぁ?」

「あいつ凶暴だからさ、床壊しちまってよぉ……。」

「お登勢さんには?」

「………………。」

黙ってしまった。
ハァ。なんて、銀さんはため息までついて。

穴の下を見ると、
あぁ、見事に貫通してる。

「そういえば神楽ちゃんは?」

「定春の散歩。あんの野郎こんな時だけ逃げやがって…。」

「で、一人で直してたんだ。」

「あぁ、そこに綾音が来たのな。」

「あっ、ごめん、邪魔だった?」

少し焦って、聞いてみる。

「邪魔なわきゃねぇだろ。ずっと一人だったからな。来てくれてありがたいぜ、こっちとしては。」

そう言って銀さんは床の修復作業に移った。

いつも、銀さんは優しい。
銀さんといて、傷付く事なんて一度もないのだ。

だから、好きになったんだろうな、と思う。
まだ気持ちは伝えられてないけれど。
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