兄弟部屋
□教育と言う名の束縛
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「燐」
「ん?…あぁ、ほい」
夜11時。
晩御飯を食べ終わり、あとは眠るだけの状態になった燐の元へアマイモンがやってきた。
だが、それは当たり前を超して日常となっている為、燐は驚きもせずに携帯を渡す。
「……燐、今週の土曜はコイツと遊ぶんですか?」
「あ?」
コイツって誰だ?と思いアマイモンが持っている携帯の画面を覗くと、そこには"藍桐"の文字。
「藍桐か。遊ぶってか……」
「……」
アマイモンが真っ直ぐと燐を見る。
「遊ぶってか……………
励ましに…?」
「励ます?」
「あぁ。藍桐、昨日、彼女にフられたんだって。で、励ませってウルサいから行くんだ」
「ドコで?」
「藍桐の家」
「駄目です」
「…」
何を言い出すのか。
一瞬で謎のダメ出しをくらった燐は意味が分からないと顔を歪ませる。
確かに今までこうしてダメ出しをされた事はあるが、今回は別だ。
藍桐は一年間ずっと大好きだった彼女にフられショックなのだ。
それに、藍桐は自分の事を怖がらない。
それが何より燐にとって嬉しいことだった。
だから…
「藍桐は特別なんだっ!!」
その言葉に疑問なんて持たなかった。
無論、アマイモンの歪んだ表情に気づかずに。