浪速星ノ王子様!Book

□もっと知りたいんです
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パカッ
メルボ(メールボックス)を開くのにいまだかつてないほどの緊張を覚える。

が、あまりにも返信が遅いと、これまた先輩に失礼になってしまうと思い、数回ほど深呼吸をした後目を開けた。

“謙也先輩
re:登録完了(^^)!
浪速のスピードスターは返信も早いっちゅー話や!”

持ち前の明るさで笑いを取ろうとする健気な姿勢。
文中にさりげなくちょこんと入れられた顔文字。
それだけで文を和ませ地味すぎない男のメールがユウキの女心をくすぐった。

「ん、どないしたんユウキ、そんなにやけた顔して気持ち悪ッ」

『それが親友の言葉!?でも今はご機嫌だから許しちゃうんだぜ、見てよゆずこのメール』

「どれどれ……って謙也先輩やん!よかったなあ!」

『うんうん、そうなの〜。なんて返信しよ?』

「んーちょいとかしてみ」

カチカチ

「これなんてどや?」

“謙也先輩
 ありがとうございます!!
さすがです♪あ、先輩よかったら今日一緒に帰りませんか”

『なななな何ゆうとんねんゆず!そんな、いきなり帰るなんて…!ハードル高すぎやろ!』

「こんくらいせな、先輩はあんたを"後輩"としか見ぃへんよ。それにもう送信しちゃった☆」

『しちゃった☆じゃあないわゆずの阿保ー!(泣)絶対図々しい女って思われた…』

「そんな落ち込まんとき!まだわからへんで…ほら、返信来よった!」

『う…なんて書いてあるん…?』

「よかったなあ!ユウキ"おん、ぜひ"だってよ!」

『え、それまじで言ってる…?』

「まじまじ!まさかあんたは親友を疑ってるんやないだろうな?」

『いやそれをゆずに言われても…でもほんま嬉しい!!』

今なら天にも昇れそうだよ!そんなことを言ったら馬鹿じゃないのと言われた。相変わらずゆずさん手厳しい…!それでもわたしの緩んだ頬はなおらない。全く…と眉を下げて、しかし嬉しそうに笑ったゆずにどうしようもない愛情が生まれた。

『ゆず、ほんまおおきに!愛してるで!』

「いや愛は遠慮するわ。イケメンで足りてるから。」

『ツンツンなゆずさんも素敵!』

「きしょい」

『………』


(此れしきのこと…!うちはめげんで!)



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