浪速星ノ王子様!Book

□悪口マシンガントーク
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「ま、とにかく座りや」


『……おん』


「何があったか、話してくれるか?」


『………』


少し迷ってから、ユウキはここに来るまでの経緯を簡単に話した。


『実はウチ、忍足先輩に一目惚れしてん。そのこと財前にゆってアド聞いたらついて来いゆわれてついてったら屋上でキ、キスされて、ほんで……』


「なるほどなあ……。ここ(保健室)に逃げてきたと」


『おん……』


(こりゃ財前のやつ本格的に如月さんの事……)


『だって考えてもみて下さいよ!キスですよキス!!アイツはきっと何回もしてるからどうでもよかったのかもしれんけど、ウチにとっては初めてだったんです!乙女のファーストキスを簡単に奪ってまうなんて……。あいつ、ウチが忍足先輩のこと好きなんが気に入らんのですよ!自分だけ忍足先輩を独り占めしようとしやがって…!!あげくの果てには嫌がらせでキ、キスまでして!!まじ意味わからん。ムカつきますわ…!!』


突如始まったユウキのマシンガントークに四天のバイブルである白石も慌てた。


「き、気持ちは分かるけど、とにかく落ち着くんや。冷静に考えてみ……?財前は嫌がらせの為に女にキスするようなやつか……?」


『……確かに、財前は女子を忌み嫌ってますけど……』


「(そうや!その調子や!財前が嫌いな女子にキスするわけない。いこーる、)


『でも嫌がらせの為なら、きっとキスでもなんでもしますよ!だってチャラいですやん!キスだって戸惑ってなかったし、ぶちゅって!///その、慣れてたんすわ!』


「(………重症やな。)」


ユウキがここまで鈍感な重症患者だとは思ってなかった白石。


てか確かにピアスちゃらちゃらあけてるあいつがキスまだだったとか思わんかもしれへんけど実はあいつキスすらまだの童貞じゃなかったかと考える白石。


思いきって伝えてみようかと思った矢先、再びのマシンガントークが始まった。


『だってウチ去年も財前と同じクラスやったんですけど、ウチが同じ班の男子と喋ってたらミミズ乗せてくるし、人が気持ちよく寝てたら暇そうな財前がめっちゃ音でかくしたヘッドフォンあててきて自作の曲聴かして自慢してどや顔したり、んでもって自分が寝るときになったら話しかけんなよとか昼になったら起こせとか俺様にもほどがあるっちゅーねん!』


二度目のマシンガントーク。とゆうかただの悪口にしかきこえないトーク。


(……財前のやつ、日頃如月さんにどう接してるんや。つかイメージ最悪やないか。好きな子ほど虐めたいってドS本能はわからん気もないがミミズはやりすぎやろばか。)


『しかもしかも!ウチがゆずってああウチの親友の女の子なんですけど、話してたら割り込んできて!ゆずの肩もって!いやそれ自体はいいんですけどゆず使ってウチのこと虐めてくるんですよ!ゆずの事好きなら好きっていやぁウチだって応援したげんのにあいつ、』


(財前のやつヤキモチ妬いてほしかったんやろうけど…いやでもこれは相当な誤解を生んでるとゆうかなんとゆうか)


『ちょっと白石さんちゃんと聞いてはるんですか!!』


「(しもうた!全部心ん中で応答してたからリアルで無言やった。)…きいとるよ」


『……本当っすか?ならいいんですけど……』


「そんで自分……自分のことしか考えてなくないか?」


『えっ?』


「ちょっとは財前の気持ちも考えてやり」


『………白石さんは……財前の肩もつんすか』


「いや別にそうゆうわけやないけど………(あかん)」


『もういいっすわ!教室戻ります!ほな』


ガラッ


「あ〜怒らせてしもた」


ガラッ


「ん?」


『………』


「どないしたん?」


『…………忍足先輩の、アドください……/////』



「お、おう……」


悪口マシンガントーク


(如月さんから見た、財前と謙也の違いはなんなんやろう?)

(忍足先輩のアド♪///)


20110320

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