賢者の石
□第一章
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その日も変わらず、平和な一日を過ごすはずだった。
小さいガキ達の朝飯を作って、食わせてる間に洗濯を済ませ干しおく。
で、いつもどおりに学校に行って授業受けて帰ってきて、またガキ達の飯を作る。
「はずだったのに……ハァ……」
「あら零夜。どうしたの?溜め息なんて吐いちゃって…… 幸せが逃げるわよ?」
「誰の所為だと思ってんスか、院長先生」
「まぁまぁ、いいじゃない。」
「で、誰なんすか?俺に客って…… なるべく、早くして下さいね。
今日は卓也のリクエストで、鳥の空揚げを作らなきゃ何ですかから。」
「解ってるよ。ほら入りなさい」
「……うす」
その時に、逃げだせば良かったんだ。
薄々は、感じ取っていたのだから。
「久しぶりね、ハグリット。」
本当に、俺は馬鹿だ。