スイッチ。
□09.好きな人
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『なぁ、亮。』
「ん?」
『例えばさ、俺に好きな人がおったとして、それを亮が知らんかったとするやん。』
「……知ってるやん」
『ちゃ、例えば、やん。』
「ぉん、ほんで?」
『他の奴らと一緒におるときに、好きな人おんねーんって言われてさ、
俺聞いてないって!
ってなるやん?
……ショック?』
「……は?」
『こんだけ一緒におんのに俺知らんかったし、
しかも他の奴と一緒に聞かされるって…ショック?』
「………べつに。」
『そやろな。』
「何やねん、なんか今日おかしいぞ。」
あぁ、おかしくもなるよ。
今、驚きと衝撃で混乱してんねんから。
「もしかして、大倉?」
『……ちゃう。』
「じゃあ誰。」
『………たっちょん。』
「合うてるやん。」
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