行事企画物語

□春休み
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3月下旬。
春と言ってもまだ少し肌寒い。
しかし、今日は、とても暖かい。


温暖化の影響だろうか。



そんなことを幼なじみの家の縁側で考えていると、


ほあら〜


と、聞き慣れた鳴き声がした。


ちょうどいい感じで日が当たるこの縁側に寝ころんでいた私は、起き上がって声のしたほうを向いた。

『おいで、カルピン』

たぬきのようなネコの名前を呼べば、すり寄ってきて、ほあら〜ともう一度鳴く。



リョ「あ、来てたんだ」

テニスバッグを肩に担ぎ、姿を見せたのは、幼なじみのリョーマだった。


『うん、来てた』

バッグを置き、隣に座るリョーマにそう言って、膝の上で寝ているカルピンを撫でた。

『今日は天気いいね』

リョ「ん」

『テニスしてきたの?』

リョ「…ん」

『先輩達と?』

リョ「………」

その質問に返事はなくて代わりに返ってきたのは、規則正しい寝息。それと、肩にかかる重みだった。


ほあら?


カルピンが自分の主人を見て、不思議そうに鳴いていた。


『カルピン、お前のご主人様は昨日徹夜だったみたいね』

クスクスと笑って、リョーマを寝やすいように横にならせる。
何か掛けるものを持ってこようとしたが、誰かに引っ張られていて、立てなかった。


『リョーマ』


確かに寝ているのにしっかりと私の服を掴んで離さない幼なじみ。
私は、掛けるものを諦めて、同じように寝転んだ。



そして、いつの間にか眠っていた。




数分後、倫子さんが私達を見て、タオルケットを掛けてくれたらしい。


ひなたぼっこ日和
(あらあら、仲よく寝てるわね)(本当にそうですね)

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