碓×ミサ☆小説
□逢えない日を埋めるもの
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美咲はスケジュール帳を広げ、確認した。
碓氷に逢わない日がもう1ヶ月も続いていた。
電話をしても繋がったことがない。
メールは深夜になって、「ごめん、忙しいんだ。」と素っ気なく帰ってくる。
「あれ、お姉ちゃん、今日も泊まりじゃないの?」
妹の紗奈がプリンを食べながら尋ねた。
「いいいい〜じゃないか!家に帰ってきても…」
うろたえる姉を見て、紗奈はニンマリとした。
「碓氷さん、新しい彼女でも出来た?」
「そそそ〜んなことはないだろう!」
碓氷を疑う自分がいる…
美咲は自分の部屋に入り、服を脱ぎかけたままベッドに倒れ込んだ。
大学の授業が終わり、今日はメイド・ラテでバイトの予定だった。
メイド服に着替え、厨房に挨拶に行った。
背の高い男が黒いエプロンをつけ、オムライスを作っていた。
「ミサちゃん久しぶり。」
「お…お…お前はここで何してるんだよ!」
「んー、ミサちゃんの顔見にきたら、厨房スタッフが欠勤してるって聞いたんだ。だから飛び込みのバイト中。」
美咲は碓氷に見惚れた。
「思いがけず俺に逢えて嬉しい?」
「う…嬉しいに決まっ…」
言葉が続かなかった。
キスで碓氷に口を塞がれた。
「碓氷……碓氷……あっ…」
碓氷の手がためらうことなく美咲の胸を揉みしだく。
スカートを捲り、隙間から指で美咲の秘部を弄ぶ。
「碓氷くーん!オムライスまだかしらぁ……って、キャア!」
店長のさつきが二人の姿を見て、萌えの花を咲かせた。
バイトが終わると碓氷に手を引かれ、彼のマンションに向かった。
玄関を入るとすぐ、碓氷は美咲を押し倒した。
「碓氷…こんなところじゃ…」
「ベッドまで我慢出来ない!」
服を脱ぐ時を惜しみ、美咲の下着を剥ぎ取り、破裂しそうな身体を押し込んだ。
「たくみっ!あっ…あぁっ!」
彼を待ちわびていた秘部から激しく水音が響く。
美咲は碓氷にしがみつき、快楽を深くした。
一度果てると、碓氷は美咲を抱きかかえ、ベッドに運んだ。
間を置かず美咲の服を剥ぎ取り、全裸の彼女を見下ろしながら嬉しそうに微笑んだ。
「たくみ…なんで1ヶ月も逢わなかったんだ…」
「ごめん、ずっとバイトしていたんだ。」
「バイト?」
「どうしても欲しいものがあって…」
碓氷はポケットから小さな箱を取り出した。
「本当は、後少し待って、美咲の二十歳の誕生日に渡すつもりだったけど待ちきれなかった…」
エンゲージリングだった。
「美咲、俺の妻になってください。今すぐじゃなくてもいい。卒業して少し働いてからでもいい。」
「私はいっぱい働くぞ。」
美咲はタオルケットをかき寄せ、碓氷を見上げた。
「そのために私と連絡も取らなかったのか?」
「ごめん…」
「碓氷のアホっ!」
美咲は碓氷の胸に拳を叩きつけた。
「私は高価な指輪なんかいらない!ただこうしてお前といられるだけで幸せなんだ!」
「美咲…寂しかった?」
碓氷は服を脱ぎ、裸の身体を美咲に重ねた。
「寂しかった…寂しかった!」
「今、俺が寂しかった日を全部埋めてやる…」
舌が身体中を優しく這い回った。
指先が美咲に快楽を与えた。
「たくみ…たくみに逢いたかった…」
「もう離れないから…」
彼は身体を繋いだ。
いつもより激しく身体を揺すると、美咲も高らかに喘いだ。
「あぁっ!あぁっ!たくみ…好き…好きっ!」
「もう離れない、絶対に…」
中で果て、美咲に繋がったまま、碓氷は美咲の左手を取った。
「さっきの答え、聞いてない…」
「答えは決まっている…私はお前のものだ。」
碓氷はニコリと微笑み、薬指にリングを通した。
疲れたのか、碓氷は美咲を抱きしめたまま、すやすやと寝入ってしまった。
美咲の携帯電話が鳴った。
「お姉ちゃん、今日は?」
妹の紗奈だった。
「碓氷の家に泊まるから。内鍵は締めておいてくれ。」
「分かった。」
「紗奈…私は碓氷の妻になる。今じゃなくて、近い将来…」
「おめでとう、お姉ちゃん!」
妹の優しい祝福が耳をくすぐった。
美咲は碓氷を抱きしめ、幸せを確認した。
☆END☆
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