碓×ミサ☆小説


□遥か彼方の空の下
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もう三日目だ……

美咲は碓氷の裸の胸に顔を埋めた。

今までだって、碓氷の家に泊まって、家に帰らなかったことは何度もあった。

だが、今日でまる三日、碓氷のそばを片時も離れずにいる。

―――母さん、ごめん……

母はきっと心配しているだろう。

けれども、今はただ碓氷と過ごす時間を1秒でも失いたくはない。

夜が明けたら、碓氷はイギリスに旅立つのだ。

「…美咲、眠れないの?」

「ああ、たくみこそ、一睡もしてないだろ?」

「美咲の寝顔、見ていたいからね。」

身体を起こし、美咲は唇を重ねた。

上に乗った美咲の乳房を両手で揉みながら、碓氷は舌を差し入れキスを深くした。

跨がった美咲の股間が自分を求めて潤っていく。

「ここ、痛くない?」

秘裂に指を這わせて碓氷は尋ねた。

「大丈夫……たくみが欲しいなら……」

三日間、何度も美咲に繋がった。

乱暴なほど美咲を攻め、喘ぎ悶えさせ、碓氷は幸せを味わった。

「欲しいよ、何度でも。」

美咲はチュッと頬にキスし、固さの足りない碓氷の身体を口に含んで舌で舐め上げた。

「もう…入れてもいい?」

美咲はコクンとうなずいた。

「おいで…」

美咲の腰を掴み、熱くなった自分を美咲の中に埋め込んだ。

「あっ、あっ……たくみ…たくみっ!」

激しく腰を上下に振り、美咲は声を上げ碓氷を求めた。

「こんなにたくみが欲しいなんて、私は狂ってる…?」

体位を変え、組み敷かれた美咲は碓氷の頭を抱え、耳元で囁いた。

「そうだよ、俺に狂わされているんだ。」

手の中の乳房を丸く掴み、飛び出た乳首に舌を這わせ刺激する。

吸い付いたまま乳房を飲み込むように頬張る。

碓氷の頭を抱きしめる美咲は貫く快感に息を荒げ、身体を開いて求めた。

「来て…来て…」

「まだだよ。美咲の全部にキスしてからね。」

碓氷はそう言うと確かめるように美咲の身体中に唇を這わせた。

破裂しそうな自分を後ろから美咲に繋ぎ合わせ腰を振ると美咲は声を上げた。

「は…はぁ、あっ……あっ、あぁ!」

「美咲……イイ、もっと…声聞かせて…」

碓氷は美咲を仰向けにし、固く抱きしめて突き上げた。

「好き…好き…たくみが好きだ…!」

碓氷の柔らかな髪を掻きむしるように指を這わせ、美咲は強く抱き寄せた。

「美咲…」

中で果てた碓氷は重なり合って美咲の熱を愛おしんだ。

「……時間だ。」

美咲はポツリと呟いた。



碓氷の荷物はトランク1つだった。

空港までの道のりを二人寄り添って歩いた。

淡々と手続きを済ませる碓氷の背中を何度も引き止めそうになりながら、美咲は必死で我慢した。

「じゃあ元気で。」

目を細め、顔を赤らめ寂しそうに碓氷は微笑んだ。

「碓氷さん!」

振り向くと、幸村や叶、生徒会の元役員達がいた。

「どうしてここに?」

「私が呼んだんだ。碓氷が沢山の友達に見送られて行けるように。」

「友達……」

「碓氷さんヒドいですよ、黙っていくなんて!」

「卒業しても会長を支えたメンバーで集まるから絶対来いよ!」

「俺、生徒会の役員じゃないのに…」

「あれだけ俺達といたから同じだよ!」

元役員達は笑い声を上げた。

「鮎沢会長の築いた星華高校は俺達新役員が守りますよ。」

「頼む!」

叶の言葉に美咲はうなずいた。

「たくみ!ホントに行くんか?」

深谷が子犬のように半泣きで現れた。

「イギリスにいても、美咲は俺のだからね。」

碓氷は牽制した。

「メイド・ラテと」

「ミサちゃんは」

「俺達が守るから!」

三バカがシャキーンとポーズを取った。

「ミサちゃんは大丈夫。メイド・ラテのメンバーがついてるわよ!」

さつきやほのか、エリカ、すばるがずらりと取り囲んだ。

「ミサちゃんを悪いご主人様から守ってください。」

「みさきちに悪い虫なんか付かないよ!」

葵がプンとした。

「一番心配なのはお前かもな。帰ったら男同士の話をしよう!」

葵の頭をグリグリと撫でた。

「高校を卒業しても美咲も碓氷君も友達だからね!」

泣きそうなさくらとしず子が碓氷を見上げた。

「強がりな美咲の相談に乗ってあげて。」

碓氷は優しく笑いかけた。

「碓氷……」

最後に美咲と向かい合った。

「行ってくる。」

「決着をつけてこい。いつまでも待ってるから。」

碓氷は美咲を抱き寄せ唇を重ねた。

「みんな、俺の鮎沢美咲をお願いします。」

「任せて!」

駆けつけた皆が口々に碓氷を応援した。

「たくみ!」

美咲は碓氷に抱きついた。

「いつまでも、たくみだけを愛してる。」

「俺もだよ!」

碓氷はそう言い残し、旅立っていった。



☆END☆


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