碓×ミサ☆小説
□君だけを…
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放課後の教室。
碓氷は窓辺に座り外を眺めていた。
真下に掃除とは名ばかりでチャンバラをして騒いでいる男子が数名いた。
―――来るかな。
碓氷は期待していた。
するとどこからともなく美咲が現れ、男子達に説教を始めた。
「全く、もう会長じゃないのに…」
クククっと可笑しそうに笑い、立ち上がった。
廊下に出ると、さくらとばったり出会った。
「碓氷君…あのね、美咲と何かあった?」
「何かって?」
「なんにも無いならいいんだー!」
さくらは両手を上げてブンブンと振った。
「美咲の様子がおかしいの?」
「うん…元気そうだしいつもと変わらないんだけど、なんとなく…」
うつむくさくらの頭を碓氷は撫でた。
「間違いなく俺のせい。」
ドキリとしてさくらは顔を上げた。
困ったように目を細め微笑む碓氷がいた。
昇降口で待っていると、何やらブツブツと小言を呟きながら美咲がやってきた。
「ミーサちゃん♪」
「うわっ!う、碓氷、こんな所で何してるんだ?」
「美咲を待ってたに決まってるでしょ♪」
「びっくりするじゃないか!」
「どーして俺に逢いに来てくれないのかなー?」
「そ、それは…」
「俺のこと、嫌いになった?」
「そうじゃないっ!」
美咲は真っ赤になって碓氷を見上げた。
「俺んちに来て。」
「…嫌だ。」
「おしおきするよ。」
美咲はだっと走り出した。
「待って!」
碓氷は追いかけて美咲の腕を掴まえた。
「俺の顔見て!」
美咲をぐいっと引き寄せた。
「…嫌だ、お前の顔を見たら泣いてしまうから…」
頑なに美咲は顔を上げようとしなかった。
碓氷は美咲の手を取り、繋いだ手を離さないようにゆっくり歩いた。
公園に着き、碓氷はベンチに座った。
美咲は立ったまま、目を合わせなかった。
「前に雅ヶ丘に転校しようと思ったのは、美咲を守る為だった。逃げてばかりいられないから…それは今度も同じなんだ。」
「雅ヶ丘とイギリスじゃ違い過ぎる……」
「決着をつけたいんだ。」
目の前の美咲の手をぎゅっと握った。
「俺は独りじゃない。美咲がいる。」
「分かった。行ってこい。待ってるから…」
美咲は碓氷を見つめた。
「一週間でも一ヶ月でも……一年でも……」
また、ウッと泣きそうになった。
「俺、そんなに逢わないでいられない。1日だって無理。」
そう言うと、立ち上がって美咲をぎゅっと抱き締めた。
「私も…だ…」
碓氷の背中を掻きむしるようにしがみついた。
碓氷の部屋に着くと、美咲は碓氷の胸に埋もれた。
「今日は俺の好きにするからね♪」
碓氷が微笑みかけると、美咲は目を閉じた。
「もう強がれない…たくみがいない私なんて考えられない…」
甘えるように唇を求めた。
「可愛い……可愛い……絶対離さない。」
美咲の頬を両手で挟み、碓氷はキスを繰り返した。
身体の力を抜き、碓氷に全てを預け、美咲はベッドに横たわった。
シャツのボタンを外し、ブラの隙間から手を入れ、乳房を剥き出しにして舌を這わせた。
「あっ…」
美咲が喜ぶ行為ならもう知っている。
彼女が喘ぎ悶えるまで、碓氷は指と舌で快楽を与え続けた。
「んっ…あっ…あぁっ…たくみは…気持ちイイ?」
「すげー気持ちイイ。」
碓氷は腕の中に美咲を組み敷いた。
「美咲の中に行きたい…」
「来て…たくみでいっぱいにして…」
溢れるほどに待ちわびる秘裂に、熱く固い自分を押し込んだ。
柔らかな肉触が碓氷の芯を締め付ける。
甘い喘ぎ声と共に、ゾクゾクと喜びが伝わってくる。
「たくみ…好き…好きだ…」
激しく腰を揺らし突き上げると、美咲が身体を反らし背中に爪を立てた。
「あっ、あぁっ!もっと!もっと奥まで来て!」
顔を火照らせ、閉じた目の端からうっすら涙を流す美咲を、碓氷は愛しんだ。
繋がった芯が美咲の中でこすれるたびに、破裂しそうな熱が碓氷を貫いた。
我慢しきれず美咲の中で果てると、碓氷ははあはあと荒く息を吐いた。
「美咲…愛してる…」
腕の中の美咲は嬉しそうに微笑んだ。
「絶対守るから…俺はもう独りじゃないから…」
碓氷は唇を重ね、ぎゅっと美咲を抱き締めた。
☆END☆
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