碓×ミサ☆小説
□ジュリエットは苦悩する
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一年振りの夢咲高校文化祭。
美咲はさくら、しず子とライブの始まりを待っていた。
さくらが付き合っているくぅがのバンドのライブは以前に増して超満員だった。
だが、今年はステージ近くの招待席でゆっくり観ることが出来た。
「この席はくぅが君が特別に用意してくれたの!」
「さくらの恋が順調で良かった。」
幸せそうなさくらの笑顔を見て、美咲は嬉しくなった。
演奏が始まって、会場は熱気が渦巻き、歓声が轟き渡った。
強烈なギターとドラムの音に、美咲は思わず顔をしかめたが、さくらに予習をさせられたおかげで、どの歌も馴染みになっていた。
激しいロックも切ないバラードも、よく聞けば全て恋の歌だ。
「去年はまるで理解出来なかったが、今年は歌詞が心に染みるな。」
ポツリと呟いた美咲の言葉を聞きつけて、さくらは「でしょー?」と歓喜した。
「くぅが君が作るのは、最近みんな素敵な恋の歌なんだよ!」
「それはさくらの影響か?」
「えぇー?」
真っ赤になってさくらは照れた。
「自分が恋の歌を分かるようになるなんて思いもしなかった…」
「美咲こそ、碓氷君の影響じゃない?」
「美咲さんの恋も順調ですよね!」
さくらもしず子もニコリと微笑んだ。
ライブが終わり、夢心地のさくらと共に会場をあとにした。
「このあとどうするの?」
「私は碓氷と待ち合わせているんだ。」
美咲は顔を赤らめた。
「しず子は?」
「私もそのー…」
眼鏡の下からみるみる真っ赤になっていった。
「しず子も恋してるのね!今度三人でゆっくり恋バナしよっ♪」
さくらはウキウキと身体をくねらせた。
「くぅが君にもらったの。良かったら使って!」
それは、後夜祭の特別招待チケットだった。
「去年は碓氷とゲームで手に入れたんだな…」
美咲は懐かしがった。
さくら、しず子と別れ、美咲は碓氷の元に向かった。
彼はまたいつものように貢ぎ物に埋もれていた。
「全く!無駄にフェロモンをだだ漏れさせるな!」
「そんなつもりは全然無いのになー!」
碓氷は立ち上がり、美咲の手を繋いだ。
「今年もあのゲームはあるのかな?」
「またやる気か?」
「美咲がやりたいならね♪でも俺達とっくにラブラブで愛を確かめ合ってるし!」
「恥ずかしいことを言うなーっ!」
美咲はまた真っ赤になった。
「さくらに後夜祭のチケットを貰ったんだ。」
「じゃーまた花火を見ながらキスしよ♪」
碓氷は目を細め、顔を赤らめた。
模擬店を回り、ゲームしたり買い物をしているうちに、後夜祭の時間となった。
特別チケットでまた衣装を借りた。
去年と同じロミオとジュリエット…
「そう言えば、結ばれない運命の物語だな…」
美咲はふと眉を寄せた。
「去年と同じ教室に行こうか。」
碓氷はまた美咲の手を取った。
校庭にほとんどの生徒が出ているため、教室はどこもガランとしていた。
花火が始まると碓氷に寄りかかり美咲は夜空を眺めた。
「花火キレイだね…」
「ああ…」
「でも美咲もキレイだよ…」
碓氷は美咲の胸を弄った。
「誰が来るかも分からない場所でエッチするのはやめよう!葵ちゃんにも怒られただろ?」
美咲はぐっと碓氷の手を押さえた。
「我慢するの?」
「私達は最近我慢が足りないだろ!」
「分かった…今回はエッチ無しだ。」
花火は次々と打ち上がり、夜空を明るく染めた。
「じゃー美咲、俺の言うこと想像して♪」
碓氷は後ろから抱きしめたまま耳元に囁いた。
「俺の手が美咲の胸をぎゅっと掴んで柔らかさを確かめるんだ…」
「たくみ…?」
碓氷の吐息が耳をくすぐる。
「スカートを手繰り寄せて、美咲の太ももを撫で回す…そのまま下着の中に指を入れる…」
「……たくみ……そんなのズルい……」
言葉に従い、碓氷の指が這っているかのように、美咲の感覚はゾクゾクと快感を覚えた。
「舌で首から胸を舐めて、いつものように乳首を転がす…」
「たくみ……ヤダっ!」
「裸にして、キスしながら俺を繋げるんだ…」
「ヤダっ!こっ…言葉だけじゃ…」
碓氷はそっと美咲の秘裂に指を這わせた。
「もうこんなに俺を欲しがってるよ…」
碓氷は美咲の耳たぶを甘噛みした。
「我慢するの……?」
「だ、ダメだ!たくみの部屋に着くまでエッチは我慢だ!」
「ミサちゃんのけぇーち!」
碓氷はチュッチュッと頬をついばんだ。
「来年も一緒に花火を観ようね!」
「……たくみの部屋ならエッチしながら観れるよ…」
「そうしよう!約束だよ♪」
碓氷はまた手を繋ぎ、美咲を連れて歩き出した。
「……結ばれない運命などあるものか…」
「何?」
「何でもない!早く帰って続きをしよう♪」
美咲は碓氷の腕を取り、寄り添った。
☆END☆
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