Short

□ファーストキス
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「奪っちゃったー☆ファーストキスだったりして?」



「Σお前…何すんねェェん!!!!!!」




ファーストキス




懐かしの○茶のCMの松島○々子よろしく、パンダのぬいぐるみを謙也の唇に押し付けると、ものすごい勢いでツッコミをもらった。


「ありゃりゃ?本当にファーストキスだったかにゃ?」

「だあああああ!!!」

「どうだった?唇のお味は」

「変な聞き方すな!!!お前頭おかしいやろ!んなケバケバしたもん口に押し付けよって…!こないなしょうもないぬいぐるみとのキッスがファーストキスだなんて何があっても認めへん!」



謙也はぬいぐるみをくろこの腕から奪い取る。



「私のお気に入りのダバちゃんになにすんのさ!そこいらのぬいぐるみなんかと一緒にしないでよね」



「知るか!同いやろ!!メチャメチャ古臭いやんか」



「違うもん!!これは、昔・・・」



「・・・・・・・・?」


「昔、侑士がくれた奴だもん・・・」


「・・・・・・・・・・」


少し不機嫌になる謙也。
それに気付かず続けるくろこ。



「私が謙也と喧嘩した時、仲直りしたくて謙也が自腹切って買ったんや、でもくろこが会ってくれへん言うてたから、俺が持ってきたんやでって侑士が言ってたもん」

「………!」


「だから・・・大切なんだもん」

「俺は・・・・・・お前が1番大切や。せやから、ぬいぐるみにファーストキス奪われたままなんは気に食わへん。くろこ・・・お前とやなきゃ認めへん」


「謙也っ・・・・!」



「好きやで、くろこ」



いつもヘタレな謙也からのシンプルな告白が、くろこは何よりうれしかった。


「あたしも好きだよ、謙也」


顔を見合わせて小さくはにかんだ二人は、手をつなぎながら部室を出ていった。





(あ、でもあたし、もうファーストキスは経験済みなんだよね……)














→オマケ



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