Short

□恋愛の聖書
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ワンクッション



※白石くらら様が出張ります
しかもなんかキャラ壊れてます。
※似非関西弁が出張ってます。






くろこと謙也は小学校に入る前からの幼馴染だ。

ずっと仲が良く、家も近い、さらに部活まで一緒なので、毎日一緒に登下校をしている。

しかし、今日は…。
今日は一緒に帰るわけにはいかないのである。


「謙也くーん、うち眠いわー」

くろこは謙也の方にもたれかかりながら、小さくつぶやく。

「我慢しい、この授業終わったら大好きな部活の時間やで」

「せやなー……部活やー」

6限の現代文は本気で鬼畜だと思う。
生徒を眠らせるためだけにある催眠授業だと、くろこは信じて疑わない。
謙也の肩の上でうとうとしかけていたくろこは、当初言おうと思っていたことを思い出すと、謙也の肩から頭を上げて、謙也の横顔を眠気眼で見上げながら言った。

「せや、今日は一緒に帰れへんから。ごめんなぁ」

そういうと、謙也の顔がみるみる赤く染まり、急に焦りだす。
眉毛がつりあがっているうえに、語尾が荒いのになんでかちっとも怖くない。
これだったらニコニコ笑っているときの蔵の方がよっぽど怖い。

「べっつに!一緒に帰りたいなんていって無いやろ…!!」

そんな焦る謙也が可愛くて、ついからかってしまいたくなる。

「ほんまにぃ?」

しかし、意外にも早く焦りがなくなっていた謙也は冷たく返す。

「勿論」

「ちぇ-」

なんだつまらない。
こうして謙也は徐々にヘタレを卒業してしまうのだろうか、いや、そんなはずはない(反語)。





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