中編

□25日
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「ん…。」

どうやら、マサトを待ってる間に寝てしまったらしい。

…あれ?
確か、俺、ソファにいたはず。
今、俺がいるのは、多分ベッドだ。
布団がかかってるし、背中も暖かいし、…背中?


「!!?」

心臓が飛び出るかと思った。
むしろ、飛び出たんじゃないか?
…それはないか。

「えっ、ちょ、なんで、え?なに、えっ?」

かなり焦ってる。動転してる。
だって、なんで、…どうして?

「…、…ミチル、」


どうして、マサトが俺を抱き締めて寝ているのか。


「おはよう。」

マサトの声、かすれててすっげぇ色っぽい。
…じゃなくて!

「…はよ。」

俺も、なに冷静に挨拶し返してんだよ!


「あ、あのさ!」

「どうした?」

ギュウ
…今、力強めたよな?

「なんで、抱き締めてんの…?」

恐る恐る、背後の人物に聞いてみる。

「恋人同士は、こういうことをするのだろう?」

至極真面目に言われても、ただただ困る。

「まぁ、そうだろうけど…。」

「それなら、いいだろう?」

「う、ん。…ん?」

良いのか?
やましいことはしないって、言ってたじゃんか。

いや、これはやましいことなのか?
あれ?でも、ん?

うーん。
悩み所だな…。


「…スー、スー。」

「…マサト?」

気が付いたら、マサトは穏やかな寝息を立てて眠りについていた。
…俺を抱き締めたまま。



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