中編

□24日
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ながーい、なんて言ったにも関わらず、案外そうでもなかったな。
ごめんなさい。

まぁ、でも、これで俺に何が起こったのか、わかってもらえたと思う。


"唯一無二の親友に交際を申し込まれた"


多分、『恋人が欲しい』という俺に同情して…。


「はぁ…。」

俺は何てことをやらかしてしまったんだ。

一途に思い続ける人がいるような奴に、恐らく同情心からだろう交際の申し込みを、


「受け入れる、なんて…。」


そう、昨日の夜、俺はマサトの言葉に頷いてしまった。

だから、俺とマサトは事実上、付き合っていることになる。
…つまるところ、恋人同士。


自分でも、"無い"と思った。

俺もマサトも、どっからどう見たって男だ。心も男。
そもそも、気持ちが通じあっていないじゃないか。

確かに、俺はマサトのことが好きだけど、それに恋愛感情は含まれていない。
あくまで友達。

何より気になるのは、マサトがそういった…、恋愛とかの話を冗談で言わない人間だというのに、あんなことを言ったこと。

そのことも俺に重くのし掛かる。


俺が、マサトに、言わせてしまった。



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