TVXQ Story

□千年恋歌〜別れ〜
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「姫様…こちらの通路からお逃げください。」


女中に連れられるがまま通路にたどり着いた姫…


ふと右手に目をやれば自室がある。


こんなところに隠し通路が…


頭の良い国王のことだからいずれ、戦いを挑まれた時、勝算が無いことも承知していたのだろう。


自身の大切な物…愛する娘を守るため、娘の自室の近くに通路を作ったのだ。



父親の愛を感じ姫君の目からまた涙がこぼれ落ちた。


きゃぁぁぁ…っ!



遥か後方…広間の方から悲鳴が聞こえた。

姫君は思わず、広間へ走り出そうとする。


しかし


女中がそれを止める。


「姫様、お早くっ!」


急かす女中の一瞬の隙をつき自室へ駆け込み鍵をかけた。



「姫様っ!ここをお開けください!」


女中が閉ざされた扉を叩きながら叫んでいる。


刹那、

あぁぁぁぁ…っ!


女中の叫び声があがった。


敵はすぐそこに迫っている。


姫君は覚悟を決めた。


「私はこの国の姫…東の誇りを持ってここに命断ちましょう。」


棚から短剣を取り出し、鞘から抜き取り、自身の喉元に突き付けた。








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