TVXQ Story

□千年恋歌〜葛藤〜
1ページ/3ページ




王座に座りにこやかに微笑むのはあの青年だった。

「やはり、東の姫君には桃色が映える。」


満足げに微笑む青年。


嘘…神の国王ってこんなに若かったの?!


自分と変わらない年頃の男性が一国の主であることが信じられない。


自分の父と違い、自ら戦場へ出向き戦うのだ。
しかし、ジェジュンは戦わない父が好きだった。


「負けると分かっているのに、出来もしない剣を握り鎧を着るより

私はありのままの姿でいたいのだ。」


父はそういって自身の象徴である韓服を脱ぐ事はなかった。

それが学問に秀でた東の誇りだと…


父を思い返し、目の前の敵をキッと睨みつける。


少々驚いたようだったが、すぐに元の表情に戻った。
「自己紹介がまだだったな…私はユノだ。東の姫君は名は何と言う?」


「ジェジュンと申します。」
渋々名乗る。


「ジェジュン…いい名だ。」
うんうんと頷くユノに

ジェジュンはずっと気になっていた事を聞いた。



「ユノ様…貴方は何故私を殺さないのですか?」

単刀直入過ぎる質問に、王も少し戸惑う。


「最初から誰も殺したくはなかった…しかし両国とも内情が荒れに荒れていたので戦わざるを得なくなったのだ。

東の姫君の父上、母上も死なせたくはなかった…しかし広間に私がついたときにはすでに命尽きておられた。」


父の事だから自害も母との心中もありえる話だったが、ジェジュンは戦いを挑んできた神が憎くて仕方なかった。








.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ