僕らの可愛い人
□case_R
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苦しさからなのか、恐怖からなのかはわからないがうっすらと開けた目には涙がにじんでいた。
「や、やめ……下さ」
「どうして? 君がオレならいいって言ってくれたんじゃない」
「それ……は」
「ヒナには内緒だよ?オレが、ここ触って君を気持ちよくさせてるって」
「ッあぁ!」
経験したことのない激しいキスによって軽く勃ちあがりかけていた彼自身を、服の上からグッと強めにこすると背中が大きく仰け反った。素早くズボンと下着を取り去り、完全に勃ち上がったもの直に握り上下に扱く。
「ちょ、やだ……あぁッ!!」
「先の方をこうやってすると気持ちいいでしょ」
「はッあ……!」
無意識に快感を分散させようと腰を浮かせるのを慌ててグッと押さえ込む。快感に慣れてない身体は限界が近いようだが、今にも爆発しそうな彼自身の根元をギュッと握りしめ射精できないようにする。リョウタの躯がいっそう強ばる。
せき止めたままで小刻みに震える彼自身を何度かこすり上げ、舌先で胸の突起をぐりと舐めるとその度に小さな喘ぎとともに躯が跳ね上がった。アオイの執拗な責めによる大きすぎる快感はイケない身体にとって苦痛でしかない。
「も、許して……」
懇願するような瞳からはポロポロと涙がこぼれている。さすがにこれ以上焦らすのは可哀想だろう。締めていた右手を少し強めに扱き、徐々にスピードを上げながらも左手でやわやわと袋を揉んでみると再びリョウタの腰が高く上がった。
「ッあ、もっ、と!こす、って……!」
「許さないけど、ちゃんとこすってあげるよ」
「ふ、あァァッ!!」
◆◇◆
「……リョウタ君に振られちゃったの」
再びの宣言は、またも夕食時に唐突に訪れた。キョウスケとアオイは互いに顔を見合わせ理由を聞いてみる。
「わたしのこと好きか判らなくなったんだって……」
さすがに妹の落ち込む姿には心が痛むが全ては他でもない大事な妹のため。
アオイの必死の励ましにキョウスケの強力なアシストも加わり、元来前向きな性格のヒナタの表情にも光が射し始めた。
2人の兄はホッと肩をなで下ろし、次こそ兄達も認めざるを得ないようなヒナタにふさわしい男性が現れることを切に願うのだったーーー。
─case_R/END─
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