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□決めた、今日から俺の彼女ね
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「兵助、此処なんだけど…」
「どれどれー?」
『へーいーすーけー!』
「あ?…舞原か。どうしたんだ?」
『ちょっと来て来てっ』
コソコソと手を縦に振りながら自分のほうへと私を促す舞原。少し疑問に思いながらも私は勘右衛門に「少し待ってて」と残し、舞原の元へと足を運んだ。
「どうかしたのか、舞原」
『ね、ねっ、あの人誰?』
「ん?あぁ、勘右衛門のことか。」
『かん、うえもん?』
「尾浜 勘右衛門だ。」
『そんな人前まで居たっけ?』
「…言ってやるな。」
私より少し背の低い舞原の頭を二回軽めにポンポンとすると、舞原は目を細め私の方を睨みつけた。
『子供扱いしてるでしょう』
「してないさ。…んで、勘右衛門がどうかしたのか?」
『…べっつにー』
「なんだ、可愛くないな。」
『大きなお世話!べっーだ!!』
どたどたと大きな足音を立てながら廊下を歩いて行く舞原。
アイツ、忍者に向いてないな。
教室に戻ると、勘右衛門がこちらをジッと見ていた。
「勘右衛門?」
「今の子誰?」
「舞原のことか?」
「あんな子、くのいち教室に居た?」
「あぁ、アイツは3年生なんだ。私達とはあまり関わりはないよ」
「3年生!?でもさっき兵助のこと呼び捨てにしてたよね?」
「あいつは礼儀がなってないからな。私はあまりそういうのはこだわってないから…。」
どうでも好さそうに兵助は俺の隣りへと腰を下ろす。
「それで、どこを教えてほしいのだ?」
「あ、あぁ、えっと此処と此処を…」
「そこは…」
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