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□雨色
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梅雨なのか最近はずっと雨でオレの気分は憂鬱だった。
雨は嫌いだ――服が濡れるし、髪がいつも以上にはねるし。
兎に角、雨の日は良いことは一つもなかった。


「うーヒバリさん。雨降ってますよ…」

「今に越したことじゃないでしょ」


そうですけど、と言って窓越しに外を見るとやっぱり雨だった。
それもさっきより強い雨。


「はぁ…憂鬱だ。――あ、ヒバリさん終わりました?」

「うん、終わったよ」


椅子から立ち上がり、書類を纏めるヒバリさん。
どうやら完璧に終わったみたいだった。


「綱吉、雨嫌いなんだね」

「そうですよー本当に、大嫌いです」

「なら、そんな綱吉にプレゼント。僕と相合い傘なんてどう?」


妖艶に笑うヒバリさんの言葉に否定出来る訳もなく、オレは頷いた。

雨は嫌いだけど、貴方と相合い傘出来るから、偶にならありだ、と思った日だった。


→あとがたり
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