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□二人を繋ぐもの
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客×店員
取を飼おう――そう思ったのは自分でも驚くくらいに唐突だった。部下である草壁に話をすると、本日の仕事は終わりましたと言われたので早速ペットショップへと向かうことにした。
雲雀自身は近いうちに、と考えていたのだがどうせなら早いほうがいいだろう。
「いらっしゃいませ!何をお探しですか?」
インコなどの小鳥がいるゲージを眺めていると茶色の髪の少年にも見える青年が雲雀へと話しかけた。ペットショップの制服を着ていることから店員だということが分かる。
「鳥を飼おうと思ってるんだけどね。どれにするか悩んでいるんだ」
「こちらとかどうでしょうか?」
少年――沢田綱吉は雲雀に一匹一匹説明するもの、雲雀にはどれも同じに見え、心には響いてこなかった。
「これは?」
そんな中、雲雀の目にとまったのは一匹の黄色の鳥。他の鳥とは少し離れた場所におり、この鳥に対する説明も値札も何一つ記載されていない。
「えーっと、この子は特殊なんです」
ゲージに手を入れて、青年――綱吉はその鳥を手に乗せた。綱吉は特殊だと言ったが、見た限り普通にしか見えない。